米国における戦略物資としてのベースメタル、レアメタル

前回のポスト『不可抗力事項(フォース・マジュール)を行使されたとき、なにができるか』をもって、50投稿を達成しました。

ちまちまと、2017年の12月より、誰に向けて発信しているのかわからない、ニッチ中のニッチ情報を、当ブログ媒体に書き殴って参りました。初回ポストは、『ここ数日間の違和感』というタイトルのもと、当時、巷を賑わせていた"角界問題"や、トランプ大統領の弾劾訴追の動きなどに言及しながら、例のごとく「なんか、嫌な予感するよね」と、世を憂いておりました。

過去の栄光にしがみつくだけが能のポンコツが、訳知り顔で権力の中枢で踏ん反り返って、うまい飯を食える世界は、いずれ崩壊する運命にあると考える次第です。

結びは、上記の通り、またしても、何に対しての憤りなのか見当もつかないほど、ほとばしる"なにか"がありました。

近頃は、発信する方法や内容について、「数年後に見返したときに、当時の熱量が残るような表現」ができるように留意しながら、構成を考えております。キーワードや、時事問題を拾えているかということ、小手先のテクニックになってしまいますが、Twitterやその他SNSへのリンク手法、アクセス解析なども取り入れながら、読者側の姿勢やニーズの理解にも努めました。

そこで、少しずつわかってきたことは、日本の非鉄金属スクラップマーケットに対する、海外からの熱視線というものが、幾ばくか存在するのだなということです。海外の業界紙の記者さんとの交流なんかも始まり、このブログを継続していく意義というか、自分の中でのモチベーションのあり方が、以前に比べ、上向いていることは間違いありません。これ以上、己の思いをぶつけても、脱線するだけなので、そろそろ本題に進むとしますか。

今回は、「"ポストC19"時代における、米国の動向」について言及します。

目次

  • 戦略物資としてのベースメタル、レアメタル
  • 銅精錬も自分でやるよ
  • スクラップも自分でやるよ

戦略物資としてのベースメタル、レアメタル

国防総省が戦略的金属鉱山に投資、中国の支配力を鈍らせる狙い (Pentagon Invests in Strategic Metals Mine, Seeking to Blunt Chinese Dominance)』という、Wall Street Journalの記事です。いつものように、DeepLを使って翻訳してみます。

マウンテン・パス鉱山は、電子機器、レーザー、磁石、および兵器システムで使用されるその他の用途に必要とされる希土類鉱物の国内唯一の供給源です。鉱物は、抽出後に特別な処理を必要としますが、米国にはそのための施設がないため、現在は中国で行われています。
その依存をなくすために、国防総省はシカゴのヘッジファンドJHLキャピタルグループが管理するマウンテンパス鉱山の処理施設の開発費用を支援している。
The Mountain Pass mine is the only domestic source for rare-earth minerals, which are needed for electronics, lasers, magnets and other applications used in weapons systems. The minerals require special processing after extraction, which is now done in China because the U.S. doesn’t have any facilities to do so.
To eliminate that dependence, the Defense Department is helping to pay for developing a processing facility at the Mountain Pass mine, which is controlled by the Chicago hedge fund JHL Capital Group.

いわゆる"精錬"や"後処理"といった「製品化するための工程」が、米国には存在せず、中国に依存していた。今後の米中関係を鑑みると、独自で対処できるだけの設備は、持って然るべきだという論調だと理解しています。これまでも、同様のハナシはなされてきたものと認識していますが、それは単に「他国へ依存するのは、外交上のリスクだよね」程度のレベルであったと思います。今、この状況下で語られているのは、おそらく「中国には、もう依存しない。有事の際の戦略物資は、自前で確保する」という方針の決定を高らかに宣言するものだと理解しています。

この助成金は、武器システムジェット戦闘機風力タービン電気自動車などに広く使用されているレアアースの供給チェーンを中国が支配している状況を打破するためのトランプ政権の取り組みに資金を投入する最初のステップです。業界アナリストによると、多くの人が将来の軍事クリーンテック経済に不可欠な鉱物であると考えているが、中国以外の国ではこれらの鉱物から部品を加工したり製造したりする能力はほとんどないという。
The grants represent the Trump administration’s first step to put money behind an effort to break China’s control of the supply chain for these minerals, widely used in weapons systems, jet fighters, wind turbines and electric vehicles. Many regard them as potentially essential to the future of the military and a clean-tech economy, but there is very little capacity to process and build parts from these minerals outside China, according to industry analysts.
国防総省は翌週、補助金プロセスの初期段階である2つの情報要求を出し、トランプ氏はその夏の終わりに、レアアース処理に投資するために国防生産法を使用することを認める一連の行政命令を出しました。
The Defense Department put out two requests for information—an early step in the grant process—the following week, and Mr. Trump issued a series of executive orders later that summer authorizing use of the Defense Production Act to invest in rare-earth processing.

具体的な例を挙げていますが、今後、起こるであろう国同士の押し競(おしくら)饅頭と、ガチンコファイトに向けて、本気の姿勢を見せているわけです。裏を返せば、上記で言及されているワードは、近い将来、想像以上に沸騰しかねない。"クリーンテック経済"なんて、素晴らしいですよね。今までのような、規制でがんじがらめに固まり、偽善じみた"エコロジー社会"ではなく、「資源を循環させることで、経済を回していこう」という、真の意味での丸型経済を標榜する動きです。筆者としては、そこに我々のようなリサイクラーへの期待が寄せられるものと期待しています。

銅精錬も自分でやるよ

『ベースメタル: ニューワールド・リソーシズがネバダ州で高品位銅を発見 (Base Metals: New World Resources hits high-grade copper in Nevada)』といった報道は、最近、殊に増えました。要は、「ネバダ州界隈での銅採掘、その周辺の企業が投資している海外プロジェクトにて、新しい持続性の見込める鉱床が見つかっているんだ」ということです。かつて、『銅相場に対するロング論調を振り返る』という記事の中で、このように筆者は述べました。

米国の銅精錬産業が同国のハイテク産業をどのようにサポートしていくのか、ひいては、世界の銅スクラップが、どの国を目指して供給されていくのか、そういったところに関係していく、大変、夢とロマンがある話だと考えております。次期米国大統領となる人物は、そういった潮流を踏まえて、"カミガミ"の意向で選出されるのでしょう。

スクラップも自分でやるよ

後半のトンデモ論は別としても、今後の行方として、「米国での銅精錬事業が再興し、スクラップの潮流が同国に向いていくのではないか」という視点は、あってもおかしくないと思います。

通商協議や、一般的な認識としては、どうしても「自国で加工した製品を、どのように流通させるのか」ということと、「果たして、それにどれくらいの税金が課せられるのか」ということばかり目にいってしまいますが、実際のところは、件(くだん)の"丸型循環(サーキュラー)経済"を実現させるためには、静脈としての資源再生についての施策って、物凄く大事です。

ドナルド・トランプ政権然り、習近平政権というのは、そういった"世の常"というか、"経済の根っこ"の部分を物凄く熟知されていると思います。だからこそ、そういった「"下の世話"をやるか、やらせるか、やってもらうか」的なニュアンスの機微を掴み取って、うまく外交のイニシアチブをとられているものと理解しています。同意していただける方もいらっしゃるかと思いますが、日本の資源および戦略物資に対する施策は、大国に振り回されるだけで、実体経済への貢献は生み出していないですよね。

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