世界のお偉方は、“グリーン・ディール産業計画”のことしか考えてない

Twitter が、運営方針を変えてきましたね。本性を出してきたとみるのか、イーロンの長期的な成長戦略の一端とみなすべきか。

新CEOに指名された方は、WEF(世界経済フォーラム)出身ですから、場合によっては、今回の騒ぎが「“オカミ”から与えられたミッション」であった可能性も否定できません。そういうことを、陰謀論者は鼻息荒く、高らかに宣言します。

いずれにせよ、今回の“閲覧制限”の背景には、「スクレイピングによるアクセス異常と、システム操作があったため」に、断行せざるを得なかった旨をイーロン・マスク氏が述べています。実際に、7月1日の段階で、「ユーザー利用が過去最高に達している」と氏自身が認めています。

スクレイピング自体は、以前より活用されていたでしょうから、恐らくAIによるデータ収集・学習によるトラフィックが増えているのでしょう。もしくは、世界各地での異常気象、暴動などの影響で、世界中の人々が、即時性のあるニュースを欲しているのかもしれません。

Twitter 上には、様々な意見、情報が集まっており、(真偽を別として)フレッシュな情報を得やすい媒体ではあります。しかしながら、良し悪しは別として、自動的に情報を再生産する“拡声器”としての機能があるからこそ、一般の耳目を集め、“信憑性のありそうな情報”が、彼らのアルゴリズムを通して取捨選択され、濃縮されてゆくといった事実を忘れてはならないと思います。言い換えれば、“彼らのアルゴリズム”に刺さりさえすれば、どんな胡散臭い情報であっても、注目されてしまうということです。

こういった特徴が、広告媒体として絶対的に向いていることは確かであり、このままなんの対処もせず、“草の根運動の拡声器”としての機能を野放しにしていたら、最終的に、為政者側から吊るし上げられる可能性も十二分に考えられます。

個人的な憶測の域を超えませんが、そういった事態も踏まえ、イーロン自身が、自主的に“広告の規制”を行ったのかもしれません。今後も、同じような“規制”が行われると思いますので、SNSをマーケティング・ツールとして利用するすべての法人、個人は、“不測の事態”に備えて、なんらかの代替策を講じる必要があろうかと思う、そんな今日この頃です。

アルゼンチン、SDRクーポン使っちゃうってよ

以前、弊ブログ(6/15付)にて『突発的な発作の先にある、特別引き出し権(SDR)について』という投稿をしました。

概要は、「脱ドル化 (de-dollarization) の文脈で、各国がドル依存からの脱却、現物資産への投資を進めているよね」です。その中で、IMFで用いられているSDR(特別引き出し権)について言及しました。

以後、SDRについて、タイムリーなニュースがありましたので、ここに報告します。

REUTERS - 『ドル不足のアルゼンチン、27億ドルのIMF支払いに人民元を使用へ (UPDATE 3-Argentina, short of dollars, to use yuan in $2.7 bln IMF payment)

急激なドル不足に悩むアルゼンチンは今週、国際通貨基金(IMF)に支払うべき27億ドルの一部を中国元で支払うと、政府報道官が29日確認した。危機的状況にある同国は、…中国元で金曜日に支払いを完了する。…この計画は16億ドルのSDRを枯渇させる一方で、「ドル準備に手をつけることなく」11億ドル相当の人民元を引き出すだろうと述べた。人民元での支払いは、中央銀行が人民元での預金口座と普通預金口座を可能にしたと発表し、利用者が中国の通貨で支払いを受けることを奨励したことによる。

危機的状況にあるのは、本当にアルゼンチンなのか

要は、「アルゼンチン国内で、中国元の流通が本格化してるよね」ということでしょうか。また、小学生レベルにまで、当該事象を落とし込むならば、「アルゼンチン、今まで持ってた“せかい銀行のクーポン券”とちゅうごくのお金を交換したよ」ということになりますし、「ちゅうごくのお金で、せかい銀行から借りたお金を返しました」ということになります。

本来、SDRの役割として、「外貨準備高の少ない国に対し、特定の通貨で支払うべき債務を、世界銀行が担保する仮想通貨で支払うことを可能にする」という機能があります。もしくは、SDRを行使して、特定の外貨に換金してもらうことを指します。

今回、アルゼンチンは、後者を選んだわけです。つまり、「債務をSDRで解消する」のではなく、「中国元で支払う」ことに価値を見出したわけです。記事では、「既に、自国内で中国元が流通している(させたい)から」という事実が挙げられています。筆者は、通貨に関して、ド素人なので、「なぜ人民元に置き換える必要があったのか」とか、「アルゼンチンが得られるメリットは、どれぐらいあるのか」といったことは、わかりません。

ただ、ひとつ明確なのは、“せかい銀行のクーポン券”は、「アルゼンチンから別の国の手に渡った」ということです。つまり、「何十億ドル相当の人民元」に相当するSDRが、どこかの国に“特別引き出し権”として付与されたと考えるのが順当ではないでしょうか。

恐らく、この潮流は、他国も追随するかたちとなるでしょうから、短絡的に考えれば、「中国元の流通量は増える」ということでしょう。よくわかりませんが。

グローバル・ノースからサウスへのSDR移転

難しいハナシなので、これ以上深堀りするつもりはありませんが、「こんなことも議論されている」といった一例として、下記をご紹介したいと思います。

参照: Green Central Banking - 『世界的なグリーン・エネルギー転換への資金調達に新たなSDRを活用 (Using new SDRs to finance the global green energy transition)

ここで展開されている議論は、「SDRの特徴・構造って、いわゆる先進国(北半球)側が利する方式でしかないよね。SDRは、サウス(いわゆる中進国以下)にもっと配分されるべき。現行のやり方だと、“IMFの管理下”に置かれないと、SDRの恩恵を得られないわけじゃん。そうじゃなくて、SDRを多国間開発銀行に権利を移転させて、その開発銀行から、融資をさせる仕組みはどうだろう。グローバルな問題として、気候変動やその他の持続可能な開発を本気でやるんならさ!」といった内容です。

なんか、オラ、ゾクゾクしてきたゾ!世界のお偉方は、“グリーン・ディール産業計画”のことしか考えてないね。

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