1/27/2020

ねえ、パラジウムって、いつ"サゲ"るのさ

パラジウムのこれまでの良い意味での迷走は、どこにあったのでしょうか。まだ、"続伸"なのかもしれませんし、もう、"オワコン"なのかもしれません。それは、まったくわかりませんが、今般の相場の動きが、なんであったのか、はたまた「今後、どのような動きをしていくのか」ということを邪推してみることは、我々のような山師、原料屋にとって、ひとつの楽しみでもあります。

ひとつ、ふたつと、今回の"上げ"に係る要素について考えてみました。

  • 瞬発的なアゲ…産業用のマスク需要がパンパン
  • 中長期的なアゲ…NEV向け触媒"期待"需要がビンビン
  • 地政学上のテンションに翻弄されたアゲ…米露の関係良くないゼンゼン

東京商品取引所のパラジウム2月限月は、月初 @6,600から始まり、足元(1/24) @8,800まで急進しています。

ここまで相場が高くなってしまうと、次に考えるべきことは、「いつ下がるのか」という点に絞られます。筆者の活動するスクラップの分野では、基板や触媒関連が大きな影響を受けます。相場変動は、他の流通量の多い金属(銅やアルミなど)と比べると緩やかでしょうが、単価が大きいため、リスクは小さくありません。

瞬発的なアゲ

産業用と言っても、実際のところ、色んなマスクが存在していると思いますが、世の中には、一酸化炭素の吸入を防ぐために、パラジウムを織り込んだものが流通しているようです。オーストラリアでの大規模森林火災現場での作業なんかにも、恐らく使われているのではないでしょうか。もしかしたら、もっと特殊な環境下でも使われているのかもしれません。

中長期的なアゲ

次の"地政学的な"影響にも絡むと思いますが、NEV需要はカチンコチンに堅いです。グレタさんが、小洒落たスイスのリゾート会議でゴタゴタ言えば言うほど、懐が潤うわけです。環境ビジネスの既得権益層の。いくら、ケツの青い若者が「温暖化対策が不十分!飛行機は乗るな!!」などと嗾けたところで、大人は「そんなことをしたら経済活動が止まってしまうじゃないか」と、「じゃあ、経済活動を阻害することで、将来の気候変動に対する影響度はどれぐらいあるのか?定量的な数値は?」などと、したり顔なわけです。

誰しもが、「そんなことできない」と分かりながらも、「温暖化対策はみんなが協力すればできるはずだ!」と嘯く。結局、"気合い論"になってしまうわけです。まあ、為政者にとって、この"グダグダな感じ"が、都合の良い世論形成に役立つのかもしれません。環境大臣が、「地球環境を守るためには、世界のひとりひとりが一致団結しなければならないという事を国連で熱くスピーチして参りました。環境はクリーンに、そして買い物はグリーンに。私は、電気自動車の大ファンなのです!」などと言い始めることはないでしょうが、似たようなことは言いそうです。

地政学上のテンションに翻弄されたアゲ

これは、大いに考えられるひとつの要素だと思います。南アフリカやロシアが主の原産であるパラジウムにとって、米露関係の良し悪しは、重大事項であります。穿った見方をしてしまえば、ここまで同貴金属の相場が高騰していると言うことは、中東利権のコントロールに難儀しているのか、ブレグジット後のランディングが、相当ハードになるものと捉えているのか、プーチン体制の雲行きが怪しくなっているのか。シンジロウに負けないぐらいの飛躍論でした。

ここから先は、まさに「"カミ"のみぞ知る」ということでしょうが、瞬発的な需要は、いつかほとぼり冷めるでしょうし、地政学的な問題は、風向きがコロコロ変わるんで、信用できない。個人的には、一度大きく"サゲ"の、"ジワアゲ"でないでしょうか。以上、現場から山師がホラを吹かせていただきました。

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1/23/2020

世界のあちこちで、ポジショントーク砲が炸裂しています

BIRが、件の「中国政府発表の再生原料規格(黄銅、銅、アルミ)」に係る発表内容のリンクを公表しましたね。

BIR is a non-profit organisation under Belgian law. BIR statutes (Articles of Association) and Internal Regulations (including Guidelines for Chairpersons) were revised and approved in February 2019. The registered office is currently headquartered in Brussels, Belgium. - ABOUT BIR
BIR(Bureau of International Recycling)とは、1948年設立の国際的なリサイクル業者の団体。72の国、800のメンバーを束ねる。1)鉄・スチール、2)非鉄金属、3)紙、4)テキスタイルの部会、1)ステンレス・特殊鋼、2)プラスチック、3)タイヤ・ラバー、4)Eスクラップの専門委員会を設ける。年に2回、欧州域内にてコンベンションを開催する。

参照:『BIR News - China publishes new specification for copper, brass and aluminium scrap products

そんな中、ISRIの会頭であるRobinさんが、こんな発言をしています。

要は、「中国がようやっと、"スクラップ"が"ゴミ"でないことを認めた。我々(ISRI)が、これまでロビー(布教)活動を進めてきたこと…BIRも一緒に頑張ってくれました…が、結実しました!(有価)スクラップは、"コモディティ"であり、原料であることは間違いないわけです」ということを言いたいんだと思います。

ここからが、面白いんですが、米中のいわゆる"貿易戦争"の中で、スクラップも関税適用対象ですよね。要は、これまでも、これからも"コモディティ"なわけです。個人的には、何をいまさら「コモディティとして認めやがったぜ!」なのかと感じてしまいます。また、会員向けの声明の中で、「"固形廃棄物"レジームからの脱却、ひいては様々な品種を画一的な(one-size-fits-all) "曖昧な"基準で取り扱うことをやめるように言ってきた」とありますが、その"曖昧さ"を逆に20年間も容認し、いちばんの利益を享受してきたのは、なにを隠そう、おたくの会員さん達ではないでしょうかと提言したい。

GreenなAmericaをつくりたいと標榜し、中国にオフィスを構え、彼の地の需要家とずぶずぶな関係でやってきた会員様が、"中途半端な"基準をつくってきた、その事実は隠しようがありません。二枚舌外交、米国の政治上の"常套手段"、そのように評してしまえば簡単ですが、そうは問屋は卸しません。

閑話休題。翻って、話を左記の中国政府が掲げる"大綱"に戻しましょう。まだ、大筋で決まった最終ドラフト版に過ぎないのでしょうが、もしこのまま、"それ"が適用されるとしたら、「本当に困ってしまう」のは、米国のサプライヤー陣だと考えています。なぜなら、彼らが一生懸命作り上げた「ISRI独自の品質基準、商品性を担保していた解釈を、中国の"それ"が蔑ろにしている」からです。




手前味噌で恐縮ですが

当ブログの中で、かつて筆者はこのように、妄言を吐きました。

2019/10/27付
中国向けスクラップ輸出、溶かせばいいのか

6類の中でも、"上物"と呼ばれる、素性がある程度確かなものは、存在します。個人的には、その類は特別扱いにすべきであって、輸入禁止の除外アイテムに処されるべきであると考えています。但し、込銅(ISRI基準で言うところの"Birch/Cliff")なんかは、結局なところ"miscellaneous(=雑多である)"が基準の中で認められています。こういった不確定要素、かつての"旨味"は、おそらく排除されるであろうと思いますし、されなくとも厳しい目が向けられることとなり、なんらかの制裁を受けるようなリスクが出た場合においては、買う側も売る側も、当然のごとく躊躇するでしょうし、流通も細くなると思います。

中国の"それ(=基準)"が、「どのように米国の"それ"を蔑ろにしているのか」という点については、別の機会にでも、いつもの妄言を交えながら、お伝えしたいと思います。

1/22/2020

銅相場に対するロング論調を振り返る

ちらほらと、銅相場に対して"LONG"の論調が増えてきました。彼のスイスのリゾートで行われる某会議で、"見えざる手"としての仕手筋と、"カミ"としての大資本家との間で合意形成が取れたのでしょうか。皆様、「ほら、言ったでしょ」的なポジショントーク全開ですが、これも世の常、散々申し上げたことですが、既定路線をひた走るのみです。

折角なので、「ほら、言ったでしょ」的な私的見解を、過去の拙ブログから拾い上げてみたいと思います。

2017/12/04付
業界の重鎮が「銅はイイぞ」と申しております

業界の重鎮として一目を置かれている Robert Friedland 氏(Ivanhoe Mines Ltd. 創業者 兼 会長)が、「銅は、産業の要である。今後、EV自動車が産業構造を大きく変えることは間違いない」といったことを申しています。
記事の中では、「現行の市販車には、18-49ポンドの銅が使われているが、PHV車においては132ポンド、EV車においては183ポンドのそれが必要となる」といった言及をしている。また、それだけでなく、インフラ面でも電気自動車を運用するシステムには銅が必要とされていることも強調している。

2017/12/05付
業界の重鎮が「銅はイイぞ」と申しております パート2

鉱山会社は、良質の銅鉱脈を探し当てられないだけでなく、2011年からつづく下げトレンド('11から'16までの5年間に銅相場は、50%下がった)による新陳代謝の悪化がつづき、死に体の様相を呈している。ブルームバーグの予想では、2022年までの4年間、こういった需給バランスの崩れによる、銅価の高騰は不可避であるとのこと。

2019/02/26付
そこはかとなくみえるものと、非鉄金属関連の気になるニュース 2/26

我々の業界の中で、「原点にもどる」とは、どういう意味を持つでしょうか。原点に戻るからといって、「原始にもどる」わけではありません。農作業のついでに電線を野焼きするのも乙なんでしょうが、時代には即しません。個人的には、「品質の追求」ではないか、そのように考えております。品質の良いものが売れる。ただただ、単純明快な論理です。これまでのように、物量を集めて船でポーン。「大将、あとは頼んまっせ!」的な属人(国)商売は、メインストリームにない、そういうことだと思います。また数年もすれば、主戦場が新たなフロンティアに移るのでしょうが、今はまだその段階にはありませんね。
『住友鉱山、EVシフトで銅山投資加速 新中計発表』
「かつてない規模の投資を予定している」。14日に開いた記者会見で住友金属鉱山の野崎明社長はこう強調した。4900億円という投資額は現中計の実績予想よりも25%大きい規模だ。

2019/10/17付
日本は不寛容社会なのか、中国は結局のところ銅を欲しがっているのか

当ブログにおいてISRIの会合の中で、元米国商務省長官が「トランプ政権は、世界経済に大きな"うねり"を造る。世界はリージョナリズムに向かう」と言及したことを報告しました。ワーディングは違えど、実際にトランプ政権は、いわゆる"業界"の掟を塗り替えているわけです。それは、彼の支持母体からの意向であり、「"業界"を動かす業界」の方々による指示であることは間違いないと思います。突然、トンデモ論者のような嘯き加減になってきましたが、これは純然たる"トゥルース"としての真実なのでしょう。トランプさんが塗りたくる"ファクト"としての真実とは相容れない、崇高な定量的な目標が存在するのだと思います。

2019/10/22付 『アフリカで花開く一帯一路

面白いなあと感じたのは、財務分析に用いた銅相場の標準が、3.1USD/lbだということです。ドルトン換算で、おおよそ6,835USD/MT。仮に、足元の相場が5,840USD/MTであれば、おおよそ1,000USD/MTは上げにならないと、プロジェクト全体の採算が合わない可能性があるということだと思います。枕が長くなりましたが、現在、中国がこのプロジェクトに意気込んで前のめりになるということは、至極当然、今後の相場はそれ以上に上昇するということではないでしょうか。想定採算ラインを日本国内の電気銅建値に換算(ドル円@105仮定)すると、760JPY/kg。現在の水準から、100ポイントほど上を指すわけです。もちろん、想定なので修正も入るかと思いますが、プロジェクト自体は順調に進行している様子なので、供給面での不安というのは少ないかと思います。大国の一帯一路構想の集大成が、数年ののち、花開くことは間違いないと考えております。

翻って最近のポジショントーク

参考:『Copper Could Surprise In 2020- Nevada Copper Has Huge Upside Potential

"Those who follow my many pieces on copper know that I expect the price of the red metal to move higher in 2020. While bullish and bearish factors have pulled copper in opposite directions in 2018 and 2019, the red metal seems set to challenge the $3 per pound level, and perhaps even higher levels."

要点を掻い摘んで、個人的な感情を込めると下記の通りだと思います。「'20に銅は上がると思うよ。'18と'19は、(ブル・ベア両極端の様子が絡み合って、どんでもない状況に陥ったけど、)ボラ高く迷走したのかなあ。まあ、だけど今後は、3$/lbを狙っていくかも。それ以上行くかもしれないけどね(ウシシ)。」

標題の中で、"Nevada"というキーワードが出てきますが、これは本当に大きな意味を持っていると思います。具体的な内容の検証は、またの機会としますが、米国の銅精錬産業が同国のハイテク産業をどのようにサポートしていくのか、ひいては、世界の銅スクラップが、どの国を目指して供給されていくのか、そういったところに関係していく、大変、夢とロマンがある話だと考えております。次期米国大統領となる人物は、そういった潮流を踏まえて、"カミガミ"の意向で選出されるのでしょう。

1/21/2020

ワケることは、分かること

今日も一生懸命、ワケていました。無我夢中でワケていました、砲金を。あの甲高い、キン!という鳴き声。金属マニアにしかわからない、癒しの音でございます。

昨今、色んな方々と商売の話をする機会に恵まれております。つくづく、感じるのは、「屑屋」と「原料屋」の感性の違いです。それは、利益の生み出し方かもしれませんし、有価資源に対する思い入れの熱量、視座など言い出したらきりがありません。結局のところ、「屑屋」も「原料屋」も扱っているものは同じなので、言葉のアヤとでもいいましょうか、"根"の部分はまったく同じです。おそらく、「原料屋」は単純な"カッコつけ"であって、選り好みの激しい欲張りであると言い切っても過言ではないと思います。

ここまで言い切っても、私は「原料屋」でありたいと願ってしまいます。なぜかというと、「金属のことを、もっと分かりたい」という欲が原点であり、「(需要家の要求に沿って)分けることで付加価値を生み出したい」し、「お客さんに喜んでもらいたい」というのがポリシーであり、あわよくば「人がやらないことをやって、対価としての金銭を稼ぎたい」というのが芯にあるからです。

燦然たるベチュベチュ

少し脱線しますが、最近、某東南アジア出身の同世代と仕事をしています。まだ、日本語はたどたどしく、説明に難儀することも多々ありますが、仕事はとても真面目です。新しい知識を得ることで、「もしかしたら、この知識・経験をもとに、自分の国で同じことをやったら、儲かるんじゃないか」と思ったであろう瞬間の、彼らの喜びの表情は、とても輝いています。

そんな彼らから受けた質問の中で、ひとつ心に残るものがありました。

「コレと、これは、ベチュベチュですか?

当初、この質問を受けた際、真面目に南米の古代遺跡の情景が浮かんでしまいましたが、本質はそこではありません。語彙の選択に、若干の可愛げがありながらも、我々の業界において、純然たる商売の極意として君臨しながらも、非常に忘れられがちな、「"分ける"ことで付加価値が生まれるかもしれない」という最初の疑念を、彼らは持っているのです。

心理学の教科書にも載っていました。「"分ける"ということは、"分かる"ということと同一である」と。また、「分かるということは、物事の良し悪しの基準が明確になっている状態である」とも。

これは、間違った見解かもしれませんが、どうでしょう。若輩者がこんなことを提言することも憚られますが、我々の業界における全盛期とは、単に「中華帝国の掌の上で踊らされていた」んであって、「きちんと"分ける"ことで得られたかもしれない旨味」もなにもかも、すべて一切合切、"あちら側"に提供していたように思うのです。暖かい気候の中で、ゆるく生活していると「まあ、これぐらいでもいいや」だとか、「明日のことは、明日考えればいいよ」的な超楽観的な思考に陥りがちです。実際に、7類が禁止される運びとなった時に、最も右往左往していたのは、いわゆる大手の貿易屋さんたちだったと記憶しています。

こんなとき、思い出すフレーズがあります。それは、神奈川県の某大手問屋さんの社長さんが常々仰っていたことであります。

俺らは、所詮クズ屋なんだよ。お客さんにコウベを垂らして、どんな風に見られようが、どんな手段を使ってでも、可能な限り安く仕入れる。売ることなんて、買ってから考えればいいんだよ。油まみれになりながら、埃まみれになりながら、きちんと仕分けをしながら、がむしゃらにやっていれば、利益なんぞ、自ずとついてくる。
仁義だけは、大事にしなければならない。多少、高く売れるからといって、信用のならない業者に首をつっこむのは、無駄である。毎月、毎回、同じように商品を受け入れてくれて、同じように支払いをしてくれる顧客がいるんであれば、そこを蔑ろにする理由はない。今日は良くても、明日は「買いません」じゃあ、なんのための商売だ。
いわゆるメーカーとの長期契約っていうのは、基本的には"怖い"よね。毎月安定的に仕入れができるかという不安もあるし、欲張って背伸びをしたところで、ションベン(契約不履行)しちゃうかもしれない。ただ、ひとつ言えるのは、"上がる"局面があれば、"下がる"局面も当然現れる。それが、相場モノを扱う人間にとっての醍醐味っていうヤツなんだけど、"下がる"ときって、普通の人は味方してくれないんだよな。そんなとき、コツコツ真面目に、需要家へ契約通り毎月納めていたら、どうだろう。やっぱり、渋い顔をしながら「お付き合いですから」とか言いながら、買ってくれるんだよね。スクラップは"人"なんだよ。

巷では、「中国がクオータ制度を廃止して、"無尽蔵に"スクラップ買うらしい!"恵"の雨じゃ!」という声が席巻しております。個人的にも、素晴らしいことであると思いますし、「原料屋になりたい」などと嘯く輩であるからこそ、大陸のマーケットは攻め落としたいと意気込むワケです。しかしながら、「無尽蔵に買いますよ!」の立て札の隅っこには、但し書きとして「品質は、◯◯%にて。その他、返品対象とする」とある。

これは、本当に「大陸から降り注ぐ、恵の雨」なのでしょうか。

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1/15/2020

NEVの熱波がじんわりと

次のメシウマ案件として、巷でチヤホヤされている"NEV"について調べてみました。どうやら北京では、'20年Q4までに、域内の全4.5トントラックの90%をNEVに置き換える構想があったようでして。域内の軽量トラックの販売台数は、19,000台。中国全土における、北京の占める割合(インパクト)は、3%とのこと。テスラの上海メガファクトリーも順調なようですので、降って湧いたかのように、NEV需要がポンと出て、各ベースメタル群の相場を押し上げてくれることでしょう。

また、なにを血迷ったのか、パラジウム相場がいい意味で迷走しております。巷では、欧州のさらなる環境規制強化に向けての触媒需要と言われていますが、真相は闇の中。仕手筋は、大本営から小出しにしながら提供される筋書き書をもとに、市場を突くわけですから、彼らのお尻がムズムズするところに、なにか背景があるのだと思います。また、国内のニュースにも、降って湧いたかの如く、FCVの実証実験が進んでいるようなニュースを確認できました。はてさて、どんな"思惑"があるのでしょうか。

NEVとは?

NEV:New Energy Vehicle。中国語で新能源車。日本語訳では、新エネルギー車、略して新エネ車。…中国政府は、日米欧の大手メーカーより競争力のある自動車メーカーを育成するという野心を隠していません。その目標達成のために選んだのが、低公害・高燃費のガソリンエンジン車ではなく、NEV(新エネ車)なのです。つまり、NEV(新エネ車)は、国民が強く求めている青い空を取り戻し、世界一の自動車大国になるという、中国政府にとって極めて重要な目標の中核的ピースなのです。

参考:『NEVとは?

下記、NEVとして認知されている自動車区分のそれぞれについて、「(1) メインの動力・エネルギー」と「(2) コンセントから充電できるか否か」について言及します。各カテゴリー毎の有名車名等は、リンク先でご確認ください。

  • EV…電気 | (1)モーター/電気, (2)できる
  • HV…ハイブリッド | (1)エンジン/ガソリン, (2)できない
  • PHV…プラグインハイブリッド | (1)モーター/電気, (2)できる
  • FCV…燃料電池 | (1)モーター/(車内で発電した)電気, できない

参考:『【初心者向け解説】PHV、HV、EV、FCVの違いとは?代表車種やメリット・デメリットを簡単解説。

自動車市場における商品構成が大きく変わるということは、使われる部品構成も大きく変わるということであり、いわんや原料構成も大きく変わるということを意味します。この大変革の時代に生きることができ、大変嬉しく思っています。パラダイムシフトが起きるときは、必ずや、大きな大きな儲けのフェーズが到来するのが、世の常です。きちんと世界の情勢を伺い、商機を、そして勝機を逃してはなりません。適宜、新たな情報が入手できましたら、こちらに報告させていただきます。

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