5/24/2020

ポケットにブローニングを | 稀代の相場師、是川銀蔵について

ここのところ、下世話でネガティブな話題ばかり続いてしまいました。手前の事業運営方針も、そろそろ明確にしなければ、この先、飯のタネを失いかねません。今回は、この自粛期間中に、非常に感銘を受けた書籍がございますので、こちらの紹介をします。



戦略的に、他人と違うことをする

とにかく、"ぶっ飛んだ"御仁です。老舗の非鉄原料問屋の社長とお話をすると、こういった類の破天荒な武勇伝を拝聴する機会に恵まれます。まず、どれだけ"ぶっ飛んでいる"のかという点について、筆者の琴線に触れた箇所を抜粋します。

<ぶっ飛びポイント>

  • 十代で単身中国に渡り、軍人と商売をしていた
  • 関東大震災が起き、トタン板を買い占めた
  • 菱刈金山のポテンシャルに、いち早く気づく

どう考えても、ぶっ飛んでいますよね。幼少期から、大変なご苦労をされているので、そこから読み始めると、「そういう時代もあったんだなあ」とか、「大志を抱くとは、まさに」といった感想に帰結するんですが、それにしても、中国での武勇伝は、小説にもひけをとらない。

毎日、ポケットにブローニングをつっ込んで自分の死に場所を探してさまよっていた。

いや、どう考えてもおかしいですよね。日本人青年が中国で事業を起こし、路頭に迷うエピソードです。実は、この回想にたどり着く前に、是川さんは、一度、同地に足を踏み入れています。つまり、2回目の中国での出来事。それまでのおおまかな流れは、下記の通りです。

  • 16歳で貿易会社での退職金を携え、大連を経由地とし、ロンドンへ向かう心算(こころづもり)があった
  • そこで、第一世界大戦が勃発し、路頭に迷う
  • 軍人との商売に商機を見出し、随行するも相手にされない
  • 青島までの250キロをひとりで歩き、なんとか日本軍の寄宿する地までたどり着き、保護される
  • そこで雑用係の仕事を得て、食料・日用品の購買担当になる
  • 最終的に同業者のタレコミで捕まってしまい、日本へ送還されることとなる

感覚的になにが儲かるのかわかる

上記は、1回目の挑戦。そして、日本へ送り返されるわけです。間も無くして、彼の少年は気付くわけです。「やはり商売で儲けるには中国しかない」と。おかしいですよね。ぶっ飛んでいますよね。そこから、半年もしないうちに、大陸へ向かい、事業を起こします。

その事業とは、中国の一厘銭を同地で精錬し、日本国内へ輸出すること。その当時、「(中国人の資産家は、)銀行に安心して現金を預けることができなかった」ので、「(彼らは、)地下の倉の中に山のように一厘銭を積み上げて持っていた」らしい。金属需要の高まりを受け、その「一厘銭千枚分をインゴットに」して、「二円から二円五十銭で捌」くことができたようです。

最終的には、戦況が変わり、とある軍人の誘いに絆され、大金を失い、事業ができなくなります。その時の回想がまさに、ブローニングに繋がるわけです。ちなみにですが、これは、是川さん19歳当時の回想になります。

以下、完全に蛇足。鎌倉の大仏さんを鋳造する際に使われた主な原料は、"宋銭"と言われています。真偽は定かではありませんが、その当時の日本国内での銅と金の価値、輸出した際のそれぞれの価値を勘案すると、鎌倉幕府が、大仏建造の原料としてスクラップ原料(中国の古銭)を使用することは、理にかなっていることは間違いないようです。史実としては、その当時の日本における銅価換算の三分の一で、輸入スクラップが買えたそうです。(ちなみに、金の輸出相場は、国内の2倍に及ぶとか。)

参考:『金属を通して歴史を観る』http://arai-hist.jp/magazine/baundary/b16.pdf

時代は繰り返す

もう、既にこの段階で"お腹いっぱい"の情報量なので、ここから先の是川さんの人生については、著作を是非読んでいただきたいと思います。

この回想録を読了後、ひとりの"相場師"の生き様をまざまざとみせられ、正直、「自分が、こんな破天荒な生き方を真似できるのか(いや、できないな)」と、ただひたすら面食らうのみでした。しかしながら、是川さんの人物像を、この著作から取り除くと、もうひとつの側面が浮き彫りになります。

時代は、少しずつ姿かたちを変えながらも、結局は、同じようなところに回帰するということです。それが、相場でもいいですし、時代に持て囃されるものでもいいですが、だいたい原点に戻ってくるわけです。人間のサガとでも言いましょうか。なんだかんだと新しい物事をつくっているようで、本質は人間の想像力なり、創造する力の域を出ることはないのでしょうね。

仮に、現在が、史上稀なる非常事態なのであれば、この先、近い将来、空前絶後の好景気が待ち構えているということを、歴史は強く物語っています。ただ、それがいつ到来するのか、どの程度まで成長するのか、ということまでは教えてくれませんが、「悪くなれば、いずれ良くなる」ことに間違いはありません。是川さんの回想にもありますが、自分が"やれない"時機、"やるべきでないタイミング"の中にいるときに、どれだけ耐え忍ぶことができるか。また、学びの灯火を絶やさず、いかにして腐らずいられるか。とても難しいことであると思いますが、実践していきたい。そのように考えております。

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5/22/2020

なんだかんだ言っても、結局は中国頼りでしょう

厚生労働省発表の「新しい生活様式」と睨めっこしています。まず、幾ばくかの"違和感"を感じざるを得ません。なぜでしょうか。その"新しさ"に対する拒否反応でしょうか。

移動に関する言及事項として、「出張はやむを得ない場合に」とあります。毎日が出張のような生活を送ってきた人間にとって、これは死活問題です。さらに、ここにきて、国内でのパスポート制導入なる提案もなされるようになってきました。度々言及させていただいておりますが、「越境するコストが上がる」ということだと思います。こう表現していいものかわかりませんが、「リージョナリズムが加速する」ということかもしれません。

新しいものもいいが、古いものを整理してから

少し下に目をやると、「働き方の新しいスタイル」という項目もあります。(言語学者ではないので、細かい表現には目を瞑りますが、)まず "New Working Style" という言葉ありきですよね。そして、恐らく本意は「新しい労働様式」でしょうか。コトバでも言霊でもいいですが、"そこ"ばかり注視してしまうと、本来なすべきことの本質がみえなくなります。

個人的には、本当に変えなくちゃいけないのは、そんな薄っぺらいふわふわした"スタイル"ではなく、もっと奥深くにある根っこ、根源的な商慣習上の不必要なモノの撤廃だったり、改変、見直しというものがあってこその"改革"であると思うのですが、独りよがりにもほどがありますでしょうか。もう少し、レガシー的なモノに敬意を表し、忖度した方がよろしいでしょうか。

まあ、政治的なことは、正直、どうでもいいっちゃあ、どうでもいいので、もう少し、商売に関するハナシをしましょう。

ワタシは嫌いなんだけど、あの人が好きって言うから…

専門家は、「未曾有の不況に陥る」ということを繰り返し述べます。つまり、これからだ、ということです。また、地政学上の問題として、「本当に"中国パージ"できるのか」という点について、あまり十分に語られていないように感じています。米国なんかは、当然のごとく、「中国のせいだ!」とお祭り騒ぎですが、結局は選挙対策です。欧州の主要国家も、「中国嫌い!」なんて言って、あたかも「地球はひとつ」で同じ意見であるかのように言いますが、彼らが中国を感情で嫌ってきたのは、いつの時代からでしょうか。

今後の欧州の経済状況如何によって変わってくるんでしょうが、結局は、これまで同様、「嫌いだけど、一緒にいると、なんか落ち着く」から一緒にいるに決まっています。半ば、「DVパートナーから逃れられない人」みたいな感じです。要は、依存関係にあるということですよね。それが、政治の真髄というか、良くも悪くも"癒着"なんでしょうが、綺麗事並べて解決するのが政治経済ではないですよね。少なくとも、新興国や中進国は、中国になびいて、国家運営の下支えをしてもらわないと、存続の危機に陥ります。

やり方を大きく変えるチャンス

翻って、ベースメタルスクラップの貿易、欧州発中国行きの流入は、明らかに増えるものと考えています。中期的には、NEV需要然り、大型商用車の需要は底堅いでしょうから、自動車産業全体からの需要それ自体が、"新しい生活様式"以前に比べ、そこまで大幅に減ることはないと思います。ただ、生産される車両に投入されるベースメタル毎の使用比率のようなものは、大幅に刷新されるでしょうし、必要とされる素材(スクラップ原料)も当然の帰結として変わります。今は、産業の転換期にあり、業界自体が、なにか"ショック療法"じみたことを希求しているのです。

その"ショック"が、どんな影響を与えるのかという点について検討してみたいと思います。大雑把な表現で恐縮ですが、車両ひとつを大きな木に例えると、これまで枝葉の部分に銅がふんだんに使われていましたね。これからは、それがアルミに置き換わります。そして、幹をもっと太くして、銅の使用量自体を何倍にしましょう、といったハナシになります。もう少し、掘り下げれば、内燃機関向けに使われていたアルミ鋳物が減る代わりに、今度は大容量バッテリーのフレーム用途で押出材が使われますよ、というハナシになったりもします。

スクラップの旨味って、いかようにも解釈できること

いわゆる"白系"ミックスメタルは、欧州・米国ともに、日本より一足先に価格崩壊が起きました。それでも、中国に仕向けている。なぜか。簡単に言ってしまえば、中国以外に買い手がいないからです。言い換えると、中国仕様なり"その程度"の商品なわけです。インドも買うだろうと言いますが、それもそうかもしれません。ただ、結局は、彼らも中国と同じようなモノづくりをしていて、同じような原料を"使いこなす"ことができる。そこに、「中国だからとか、インドだからという優位性」はないように考えています。実際の末端での詳しい事情はわからないですが、恐らく、まだ儲かっているんですよね。発生国も中国も。

前者としては、大手の寡占が進み、機械化は当然ですが、選別の自動化が進み、中国が望むレベルのモノは、"フツー"に大量生産できる。何遍も同じことを言いますが、真の意味でのリサイクラーは、「売値が安かろうが高かろうが、そんなことには興味がない」はずなんです。彼らは「回すことに意味がある」と考える。たまたま、相場が高いときに売れれば、「ああ、ラッキー」ぐらいにしか捉えていないと思います。要は、「スクラップが回っている限り、儲けが確実に積み上がる」のです。

後者にしても、同様に巨大資本が美味しいところを独占してしまっていて、最先端の選別技術で汎用品を大量に生産できる。先進国が疲弊すればするほど、仕入れに係るコストが減る。高品位の原料が必要になれば、アジア圏内でそこそこの値段を出せば、少量多品種で購買できてしまうのです。本来であれば、製品の需要がないのにつくっても意味がないのですが、そういった"フツー"の論理は、彼らに通用しません。

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5/18/2020

リージョナリズムのうねりに翻弄される金属くず屋

いよいよ、正念場を迎えて参りました。この期に及んで、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)、どこからでもかかってこい、などと法螺を吹くことのできる業者さんは、存在するのでしょうか。かつての"リーマン・ショック"をゆうに超えるインパクトを包含した、今回のウィルス騒動。実際の"爆発"は、「これから」と目されております。

これまで、当ブログにおきましては、どこぞの事情通から"くすねた"信ぴょう性があるのか、ないのか、もはやよくわからない情報を垂れ流してきました。個人的には、ある程度の精度をもって、比較的フレッシュな情報を提供できたと自負しております。

With"C19"時代は、もったいぶらない

国家の検閲フィルターに抵触する恐れがあるので、あえて"例のウィルス名"は、今後出しません。読者の皆さんの中には、「勘ぐりすぎだろう」と仰る向きもあろうかと思いますが、実際にYoutubeやらnoteなんかのいわゆるSNSで当該ワードを言及すると、「このコンテンツは、云々」とセンシティブな内容を含む可能性を指摘するメッセージが出ます。要は、特定の人間にとって、"要管理対象"なわけです。

いわゆる"Big Brother"ですよね。今後は、"見えざる手"の影響力も、もっともっと大胆に顕在化する。なにを言っているのか、見当もつかない方もおられるかと思いますが、要は「同調圧力の強烈な、監視型社会」です。さらに、現在、空のずっと上の方では、「これまで静かに、したたかに我々の世界をコントロールしてきた勢力が、ドンパチを繰り広げています。」オバマが、何を血迷ったか、卒業を迎えた若者向けのスピーチで「トランプ政権は、使い物にならん」と言明しました。一方のトランプは、呪文の一種でしょうか。「オバマゲート!」などと申しております。

どういったわけか、この類の話は、日本におけるメディア界隈のフィルターを通すと、「あのオバマが、トランプ批判している!またトランプは、悪さしているのか」などと聞こえてしまいます。なぜでしょう。恐らく、米国におけるオカミの代理戦争は、近いうちになんらかの"ショック"をもって、世界中の日の目をみることになるのではないでしょうか。よくわかりませんが。

それが、金属リサイクルにどう関係するのか

過去のポストを見ていただければわかりますが、数年前から、「'20 アルミ絶望論」と、「'21 銅ガンバル論」は、出ていました。弊ブログ『メーカー"側"は潤っている (2019/12/12) 』で言及したことを、下記にそのまま引用します。

<アルミ> 需要に対して余剰感あり | 大きなリセッションを迎え、場合によっては大きな生産調整があるか | 需要は一時的に落ち込む可能性大→需給は“リセット” | 飲料用容器(プラからアルミへ)や電気自動車向けの新規需要等が顕著に
<銅> '20は、スクラップ絶望的 | 中国が銅精鉱に注力するため | '21後半は、業界全体に明るい兆しか | TC/RCが劇的に安い

ここで、「ほらみたこと」などと言うつもりは、毛頭ありません。弊ブログでは、何度も申し上げていることですが、現在の「カオスが既定路線」で間違いないのです。今のような、「みんなが困っている感じ」に持ち込みたいと思う人がいて、実際にそのようになりました。たぶん。

品の良いクズ屋が必要とされる

どこまで飛躍していいのかわかりませんが、できる限り、地に足のついたハナシをしたいと思います。前提として、貿易に係るビッグボリューム案件は、どの業界でもそうですが、世界に点在する大華僑グループが、実際の権益を握っています。そして、その、筆者が嫌いな言葉でありますが、"橋渡し役"が、彼らにぶら下がるかたちで、同じように世界に散らばっているわけです。実際、これまでは、"橋渡し役の橋渡し"だとか、さらに言えば彼らの"使いパシリ"が存在し、ぐだぐだヘラヘラとやりながら、なんとか、そのエコシステムがバランスを保ちながら、うまく機能していたわけです。

ところがどっこい、習近平政権の誕生で、いわゆる"ミドルマン利権"の排除が進み、利権構造が大きく変わってしまった。あまり言及したくないことではありますが、大資本家の"資金管理手法"も変わった。実際に、筆者も目にしていることではありますが、大陸資本が日本に出先機関をつくり、"投資先"の近くで、資金を回収する方へ舵を切った。ソーラーパネル投資家なんていうのも、一時流行りましたが、彼らの親分級の集団です。

7月には、大陸向けの"金属資源"に対する規制が変わります。一部の業者さんの中には、「規制が厳しくなって、仕入値が日本の相場に優位性が無ければ、中国に出す意味ないよね」などと仰る方がいますが、果たして、そうでしょうか。恐らく、彼ら(大資本家)の気持ちを代弁するワケではないですが、「欲しいときは、なんとしてでも買ってやるから」だと思います。

玉は転がすためにある

大資本家グループは、とにかく"投資案件"を動かす必要があります。日本の湾岸に、スクラップを積み上げて、ゴニョゴニョ(解体・選別・荷造り)して、"マテリアル"を世界各地の需要家に届け、資金回収をすることに、彼らは関心を持っています。原料が足りようが、足りなくて困っていようが、そんなことは、小さな悩みに過ぎない。高く買ってくれるなら、それに越したことはないぐらいにしか思っていない。

かつては、長いスパンで、中国国内然り、第三国で加工を進め、"マテリアル"を本土へ送り出すことで、ひとつの"金儲け"サイクルが完結していました。いわゆる"プロジェクト・ファイナンス"ですね。工数が増えれば増えるほど、人的資源が必要となるため、かつての"小間使い"の必要性があったとも言えます。しかしながら、今後、"先進国"が"後進国"になることは不可避です。つまり、時代の変化の波にのまれ、それにキャッチアップできない"敗戦国"が出てくるということです。大資本家は、大きな口を開けて、"フロンティア"が生まれることを気長に待っているのです。

ここで留意すべき点がひとつあります。その"敗戦国"は、かつての国家を意味するクニである必要はないのです。安直な考えで恐縮ですが、例えば、北部九州と山陰地方のスクラップ商圏は、すべて中国に飲み込まれてしまうかもしれませんよね。地理的な近さもあれば、今後、他の大都市圏への長距離便が運行できなくなる可能性もないことはないわけですから。もっと言えば、同じ国の中での物価に開きが出る可能性も否定できない。もしかしたら、日本円を使うよりも、人民元や米ドルを使った方が、利便性が高い社会が生まれるかもしれない。

街道沿いに、同じような店が立ち並ぶ時代は終わり

毎度のごとく、飛躍に飛躍を重ねた、しょうもない空想バナシを展開してしまいました。しかしながら、「リージョナリズムは、想定以上に早期に浸透する」でしょうね。かつての"ブロック経済"と比べる方もおられますが、現代のそれは、もっと実態の掴めない"やわい"ものであると考えています。大資本家の商売の仕方も変わり、取り巻きが淘汰され、どんどん"クズ屋稼業"がシンプルに細身になっていきます。能書きを垂れて、儲かる時代ではなくなるのかもしれません。

トラックの往来が多い地域にヤードを構えて、踏ん反り返って、「こんぐらいで買ってやるよ」的な商売手法も、もう長続きしないのかもしれませんね。もしかしたら、皆さん、結構前から"そのこと"に気づいていたのかもしれません。だけど、「なんとなく、やれた」ので、「まだ、やれる」と思うのが当然ですよね。一部の方々は、「やりようによっちゃあ、すげえデカくなれるよな」と仰います。

確かに、筆者としましても、この機をターニングポイントと捉え、成功を掴みたいと考えていますが、実際のところは、難しいですよね。欧州の業界事情なんかを見ても、結局は大手の寡占に帰結します。もしくは、本当に特殊な商圏なり商材を持った、ごくごく一部の業者が、確かに生き残っています。だけど、彼らは、小規模が故に生かされているのであり、それ以上のパイを握ることは許されていないのです。今後の立ち回り方、真剣に見極めていきたいと思います。

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5/07/2020

中国の銅担保融資の実行率って上がってますか?

GWが明けました。まったくもって、"明けた感じ"がしないのは、筆者が"永遠の五月病患者"だからでしょうか。昨夜の雷雨の影響か、身体がフラつきます。今朝のテレビニュースなんか観ていても、既視感たっぷりの使い古された情報のみで、真の意味での"閉塞感"に市場が苛まれていることは、如実に感じ取ることができます。

今朝のハイライトは、「有事の際の金」と「あらゆる工業製品に使われている銅」を謎の指数化し、「皆さん!このアゲは、中国景気が底堅いからなんですねえ」などとドヤる、どこぞの"専門家"の登場でしょうか。声にならぬ感情の発出とともに、ついつい失笑してしまいました。フリップを出して、あたかも当該金属が相関関係にあるかのように説明するのですが、どうみてもグラフの左側(過去)がマッチしません。

当然、お互いに影響を与え合う関係にあることは間違いないでしょう。ただ、それぞれの立ち位置が違う金属を、無理矢理引っ張ってきて、「たぶん、上がると思う!」と言い切るための材料に濫用するのは、もういい加減やめてほしい。

仮に、なんらかの意味をなす指数を"つくる"のであれば、大連の鉄建値と上海の銅建値を同時に提示した上で、中国国内でNEV向けモーター需要が高まっているから、相場もアゲだとか、鉛地金の輸出が思いの外多く、実際は内需が弱いとか、具体例を用いて"解説"していただけると、納得できる情報たり得ると思うんです。もし、仮に、金融資産としての金属として切り取るのであれば、例えば、中国国内での銅地金を担保にした融資の実行件数とか、そういったところにも興味があります

個人的には、俄然、パラジウムに対する"バロメーター"としての期待が大きいですね。工業用途としての需要は、大変底堅く、金融資産としての需要も、大変底堅い。

5/7付の銅建値は、@590で始まりました。経済の専門家ではないので、こんなことを言っても許されるかと思いますが、「山元が、連休明けの弱含み相場で気持ち強気に出るときは、大概相場は上げる」ということでしょうか。そして、「なんらかの言い訳を残して、思い切った下げ」をやってくれるかもしれません。全部、テキトーです。結局、「上げて、下げる」と言っておけば、大体は的中するんですよ。いずれかの局面で。なんか、物知り顔で、まともなことを言っていれば、当たるんですよ。いずれかの局面で。

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5/04/2020

PETボトルがアルミに置き換わったら、ものすごいインパクト

混迷を極めてまいりました。中国は、大型連休に入り、"自粛"の手綱を緩めたようです。人民の方々は、喜んで"リベンジ買い"に勤しんでいるようです。もはや、何に対しての"リベンジ"なのか、理解に苦しみます。

鬱憤を晴らす対象は、なんでもいいのでしょうね。みんなで集まって、買い物に行って、旨いメシを食って、酒をたらふく飲んで。そんなことをしていれば、政府の対応が後手後手に回って、実体経済をズタボロにしたことなんかは、きれいさっぱり忘れてしまうのかもしれません。

筆者としましては、今般のウィルス騒動が、どこぞの研究所由来だとか、どこぞの富豪が出資していたとか、その御仁がワクチン開発に躍起になっているとか、そんなことは興味ありません。純然たる事実として、旧来の政治システムが、突発的な不具合に対して、適切に対処できなかったということ。これに尽きると思います。

さて、先日、某メディアにて「中国のアルミナ輸入が、前年比100倍にまで達している」といった言説を確認しました。すごいですよね。

何があろうとも、大綱を曲げない

なにがすごいかというと、昨年11月に参加した業界の会合にて、既に、当該方針は明確に打ち出されていたという事実です。いわゆる、"予測"ではなく、既に"織り込み済み事項"であったということです。過去にも、同様の内容はポストさせていただいておりますが、ここまで正確なフォーキャストが用意されているということは、今後の施策に関しても、既に放出されている"それ"が、微々たる修正あれど、粛々と遂行されていくということではないでしょうか。つまり、世界経済は、「既定路線を見事に踏襲していく」ということです。

細かいデータは、頭に入っていませんが、おそらく「飲料ボトルのアルミ化」は、現在のような有事下にあっても、地球規模で、最も実現可能性が高いプロジェクトのひとつではないでしょうか。大幅な原油安によって、PETバージン材の調達が安くなったことで、切り替えに対するインセンティブは、以前より低下していることは間違いないのでしょうが、海洋汚染やマイクロプラスチックによる人体への汚染なんかを鑑みると、引き続き、緩やかにではありますが、継続して代替化が進められるものと考えています。

火事場で華開く新たな需要

もし、日本において、急激な変化をもたらすとしたら、静脈産業側からの突き上げでしょうか。結局は、中国への輸出無くしては、PETリサイクルのサステイナビリティ(持続性)は考えられないのが現状です。

家庭ごみが溢れ、"処分"の道が閉ざされ、仮に資源化を国内で完結しようと試みても、結局は長続きしない。飲料メーカー側としても、リサイクル材を使用するメリットが考えにくい。

これまでは、可搬性の高さ、パッケージングのしやすさ、意匠性の良さから、PETボトルを使ってきたのでしょうが、みんながみんな、家に閉じこもって、個人サイズの飲料消費のニーズが薄まる中、メーカーとして、固執する理由も薄まっているものと考えています。

インパクトで推し量るメリット

PETボトルリサイクル推進協議会によれば、飲料向けのPET樹脂需要は、おおよそ50万トン/年あるとのこと。仮に、この需要の2割がアルミに置き換わった場合、どのようなインパクトがあるのでしょうか。素人の発想でざっくり換算してみたいと思います。どうやら、年間で20万トン弱の需要が生まれるということは、間違いなさそうです。(ポリエチレンテレフタレートの比重は、1.4。アルミの比重は、2.7とした場合。

実際の製品形状の違いによる単重差は、見当もつきませんが、おそらくこれぐらいのインパクトはあってもおかしくないし、逆に、これぐらいのインパクトが無ければ、"やる"意義はないのかもしれません。

ちなみにですが、アルミ缶リサイクル協会が発表されている情報によると、アルミ缶の消費重量は、30万トン/年あるとのこと。日本の製缶メーカーの生産キャパがどれぐらいあるのか、さっぱり見当もつきませんが、相当なインパクトですね。実質、CAN-to-CAN(スクラップ缶から製品缶)への再生は、消費量に対して50%++ぐらいとのことです。

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