【前編】米国の銅鉱山開発計画とその周辺の出来事(市況予測のおまけ付)

例のごとく、見事に放置していました。情報過多社会の荒波に揉まれ、なにを信じるべきなのか、なにを、どこまで言っていいのか。そんな胡散臭いフレーズを悶々と考えていたら、2月でした。単純に、ネタ切れですね。

最近、業界における「ここが、こうで、こうなる!ワーオ」みたいなニュースも特段なく。あるっちゃあるけど、それは、あまりにも劇的な変化なので、「ワーオ」どころではなく。物事は、至極真っ当に“既定路線”をひた走っております。

今回は、米国での銅鉱山開発並びに、原料としてのスクラップ事情について、毎度のことですが、相当な独断と偏見で考察を行って参ります。

また、2022年中の銅建値と為替が確定しましたので、最新のグラフ更新も行います。(ちなみに、アイキャッチ画像は気分で変えますが、中国に関するネタの場合は、金パンダ。米国系は、ただっぴろい平野に銅みたいな区分けで、投稿しています。)

銅はどうなるんですか

毎回の手前味噌で大変恐縮ではございますが、弊noteにて、このような記事を投稿しました。

「銅はどうかな?」みたいな月並みな質問をAI (ChatGPT) にしたら、とても真っ当な回答をしてくれたよ

なにが面白いのかというと、筆者のワードセンスではなく、巷で流行っているAIに、「おい、将来的に銅の相場ってどうなるんだ」と訊いたら、「知らねえよ」と切り返されたという部分です。結論、2021年までの市況データしか持ち合わせておらず、「テキトーなことは言えません」とのことでありました。

試しに、「2021年の銅がどうであったのか」という話を投げかけると、以下のような返答がありました。

#ChatGPT : 2021年の銅価格は、様々な市場要因によって大きな変動を見せました。銅は広く使用されている工業用金属であり、その価格は建設業や製造業などの需要、供給障害、世界的な経済状況など、さまざまな要因に影響されます。2021年前半は、世界最大の銅消費国である中国の旺盛な需要や、COVID-19の大流行による供給障害などを背景に、銅価格は上昇しました。しかし、後半はパンデミックによる経済的影響への懸念や世界的な生産量の増加により価格は下落しました。なお、銅の価格は、他の商品と同様に大きく変動する可能性があり、投資判断の際には市況やその他の関連要因を注意深く見守ることが重要です。

どこぞの商社マンが言いそうな内容です。

蛇足になりますが、2002年から2022年までの電気銅建値、ドル円の推移グラフを更新しました。ご査収のほど、よろしくお願いいたします。

前回の建値・為替の検証: 『銅相場の20年を海外相場と比較しながら

2022年の銅がどうであったのか」といった野暮な話はしませんが、至極グラフの通りでございます。

銅の行く末が知りたいんじゃ

このタイミングで、大胆な市況予測をするアナリスト(ほら吹き)は、なかなかいませんので、個人的にツボる記事は見つかりませんでしたが、この次のハナシ(米国の銅鉱山開発)に繋がる要素として、下記の記事を紹介したいと思います。

MINING.COM 『FRBのメッセージでドル安になり、銅価格が反発 (Copper price rebounds as Fed messaging weakens the dollar)』

ドルの急速な軟化と、コロナウイルス規制を解除した中国での需要復活への期待から、銅は11月の1トン7500ドル程度から、先月は9550.50ドルの高値まで上昇しました。しかし、中国の輸入プレミアムは低下し、上海取引所の在庫は急速に増加しており、需要が改善する兆しはほとんどありません。「短期的には、適度に弱気にならざるを得ないと思います」と、アマルガメット・メタルズ・トレーディングの調査責任者であるダン・スミス氏は述べた。しかし、彼は投資家はディップを買うべきだと言い、価格は1トン当たり1万ドル以上で今年を終えると予想した。「中国は力強く戻ってくるでしょう。私たちはまだそれを感じていないだけです」と彼は言い、ドル安と供給問題も価格の支えになっていると付け加えました。

見事な珍ポジ発言ですよね。確かに、どこのコンサルティング会社の銅市況に関する“予測”をみても、「中国の経済がねぇ…でも、やってくれるっしょ!(テヘペロ)」みたいな表現ばかり。

一方で、生産者側からは、以下のような発言がございます。

REUTERS 『チリのコチルコ社、2023年の銅価格見通しを3.85ドル/ポンドに上方修正 (Chile's Cochilco raises 2023 copper price forecast to $3.85/lb)』

国営チリ銅委員会(コチルコ)は26日、世界的な在庫の減少を受け、2023年の銅価格の見通しを12月時点の1ポンド=3.70ドルから3.85ドルに引き上げた。コチルコはまた、2024年の銅価格の予想を平均3.65ドルに据え置いた。マルセラ・エルナンド鉱業大臣は声明の中で、「中国におけるゼロCOVID-19政策の緩和、インフレ率の低下による北米の金融政策の緩和、欧州における推定よりも穏やかな景気後退への期待」が金属価格の助けになると述べている。

ここで特筆すべき点は、下記の通りです。

  • 同委員会は、昨年末に発表した数値を、年明けすぐに改定している
  • 3.70ドル/ポンド=8,157.10ドル/トン
  • 3.85ドル/ポンド=8,487.80ドル/トン
  • 3.65ドル/ポンド=8,046.87ドル/トン
  • 生産者側は、「1トン当たり1万ドル以上で今年を終えると予想」はしていない

長くなりましたので、前後編の二部構成でお送りいたします。チャオ!

後半は、コチラから。

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