銅相場の20年を海外相場と比較しながら

そこはかとなく、違和感しか感じておりませんが、なにか。どうも、みちるリソースです。

今回も、銅の建値の動向について、「意味がありそうで、実は、そこまで無いグラフ」を交えながら、考察してみたいと思います。手短に。

このグラフを意味あるものへと昇華させるためには、いくつかの特筆すべき点を挙げなければなりません。

銅相場における20年間、特筆すべき点とは

  1. '03年末から'04年初にかけて、海外銅相場は、1.5倍以上急騰
  2. '06年初から'06年中にかけて、海外銅相場は、1.5倍以上急騰
  3. これ以降、「日本国内の銅建値@700++」が常態に('09、'16年を除く)
  4. '09年から'13年まで、ドル円相場@100を割る(円高)
  5. '08年9月から12月にかけて、海外銅相場は、大暴落
  6. その後、2年ほどで暴落以前の相場まで戻す
  7. '20年初から'21年中にかけて、海外銅相場は、約2.0倍急騰
  8. '22年の日本国内の銅建値の年平均想定@1200、ドル円相場@130?

ここで、なにを言いたかったのかというと、現在の日本の銅建値が高止まりしているかのように見える現象も、至極当然のことながら、円安のせいであります。

海外相場だけ追ってみると、現在の水準は、10年前のそれと同等です。その当時、ドル円相場は、@80であり、日本国内の銅建値は、@680でした。つまり、色んな捉え方ができるかと思いますが、銅相場がどれだけ底堅く一定であっても、為替単体が右往左往することで、日本国内の銅建値価格が、大きく変動する可能性を包含しているということです。日銀の気持ち(オペレーション)次第で、国内における銅の相場が、いかようにも操作されるという解釈もできようかと思います。

近視眼的に国内相場だけを注視したり、マクロで俯瞰することでは、時の趨勢を追うことはできますが、細やかな変化を確認することはできない、そういうことを実感しました。

※上記グラフの左軸は、国内銅建値(JPY/KGS)。右軸を為替(USD/JPY)として配置。期間は、'02年から'21年までを実際のデータとし、'22年に関しては、現状の平均相場を仮で入力した。銅相場情報は、'13年までJX金属の公式で公開されているものを引用。それ以前は、ウェブ上で拾い上げた情報につき、信憑性は不明。為替情報は、日銀の「東京外為市場における取引状況」の年中平均レート(中心相場)を適用。

海外の銅相場チャート

ちなみにですが、上記と同様の時間軸でみた、COMEX銅相場の趨勢は、下記の通りです。この比較で、すぐに理解できるのは、海外相場は、'11年以降、'15年中ごろまで右肩下がりで推移しますが、日本のそれは、円安傾向もあり、減少しているような印象は見受けられません。

参照: macrotrends

預言者って、いくらから雇えるの?Pt.2

ハナシは、やや飛躍しますが、筆者が'19年10月22日に投稿した『アフリカで花開く一帯一路』という記事の中で、「(中国が、同プロジェクトの)財務分析に用いた銅相場の標準が、3.1USD/lb」という事実を指摘をしました。

その当時、銅相場は、2.7USD/lb前後を差していましたので、肌感覚としては、“理想”まで、15%以上の相場の“アゲ”が必要でした。当然のことながら、前回の投稿(『2019年、金属原料界隈でなにが議論されていたのか』)でも言及しましたが、この段階で、「銅爆上げ」を真に受ける人は、少なくとも“一般人連中”の中には、存在しませんでした。

しかしながら、ほんの数か月後には、「世界経済は、風邪をひき」、コモディティ相場は、「スーパーサイクル云々」の様相を呈しました。“預言者”の思惑通りですね。

今、“預言者”が、数年後の未来をどのように描いているのか、全くもって見当もつきません。ただ、昨今の陰謀論者の言動をみていると、「超円高になり、世界が日本に群がる」的な思想が垣間見えます。彼らが、「金本位制が復活する」としたり顔で呟いた際、金融のエリートは、「そんなこと、起きるわけがない」と一蹴したそうですが、実際のところ、ロシアでは、貴金属本位制は成立するようです。よくわかりませんが。

個人的には、ロシア地域における、金本位制というか、貴金属(特にパラジウム)の現物に裏付けされた暗号通貨に関心を寄せています。(パラジウム関連の過去投稿は、こちらをご笑覧ください。)

https://www.michiru-resources.com/search/label/Palladium

例のごとく、まとまりのない文章になってしまいました。また、非鉄金属、貴金属相場、資源再生等、思うことがあれば、こちらに投稿いたします。

また、最近、theLetter上で、ニュースレターの配信を始めました。目下、不定期配信ですが、こちらも、併せてご覧いただけますと幸いです。(絶賛迷走中です。)

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