みちるリソースがこれまで文字によって紡いできた“幹”の部分 (パート2)

前回のつづきです。

憚りながらも、「業界には革新が必要だ」などという生意気な暴論を吐かせていただいたわけですが、真意を伝えられていない恐れがあるので、もう少しだけ、手前の能書きにお付き合いください。

前回、“ゴミ”の輸出に際して、「なんでもかんでも第三世界に送り込んで、“なかったこと”にするのは、もはや時代錯誤ではないか」ということについて言及しました。ここで明確にしておきたいのは、筆者は、むしろ“スクラップ貿易”をやってゆきたい。なぜかというと、前回のポストでも少し触れましたが、「どうやったら、いちばん高く売れるか」ということを考えたときに、日本国内の小さなマーケットだけを見ていたら、競争上の優位性はなかなか出ない。また、「コンテナ単位でコモディティを扱うこと」に、計り知れない魅力があるからです。ただ、「第三世界の人間でさえ二の足を踏むような“えげつない”スクラップというのは、結局のところ、ゴミでしかないし、コモディティたり得ない」ので、そういった商行為は、やるべきでないという思いです。

そして、もし、左記のような“ゴミ”が、なんらかの技術革新で、“資源”ないしコモディティたり得る状態にまで昇華できるのであれば、率先して取り組むべきだし、その“技術革新”を成し遂げた人物は、大いに保護されるべきだし、大いに利益を獲得すべきだとも考えています。

コモディティとしての金属スクラップ

筆者は、「国内で発生した資源は、極力、国内で再循環させるべきだ」と考えています。ただ、もし、日本以外のマーケットで、下記を担保できる場所があるのであれば、もちろん、それは、「日本に拘る必要性」はないに等しいと思います。場合によっては、その第三国で加工されたものが、回りまわって、日本の製品市場に帰ってくることだって、往々にして考えられます。つまり、循環しているのです。“純然たるコモディティ”たり得ているのです。

  • 「日本では価値が低いとされるモノ」が評価を得られる(=新たな価値)
  • 「日本でも売れるモノ」に対して妥当な評価を得られる(=競争力)
  • 輸出先において環境負荷が低く、買主側が効率的な資源を回収する術を知っている(=永続性)

例えば、銅と鉄で構成されたスクラップを20トン以上仕入れたとします。たしかに、国内で解体して、銅を取り出して、鉄を取り出して、選別をすれば、“それなりの値段”で売れます。ただ、結局のところ、営業に係るコストや、解体・選別、「日本では価値が低いモノ」を捌くコストなんかを考えたら、「割が合わないな」と考えてしまうかもしれません。だったら、「右から左に、薄いマージンでも売っておきたい」と。現行のスクラップ商売では、相場の動向をつぶさに伺い、ヒリヒリしながら、時折やってくる上げ相場を期待して加工を続けるのか、確実にマージンを積み上げるのか、左記の二者択一に限られると思います。

かつての中国は、「賃金が安いから」、「ゴミの処理費が安いから」、雑品(複合金属屑)なり、雑線(電線屑)を山ほど買い集めることができたのでしょうか。それは、おそらく「コストがべらぼうに安いから」ではなく、「なにからなにまで、とことん有効に活用する術を知っていたから」です。少なくとも、筆者は、そのように信じています。だからこそ、「外国では価値が低いが、中国では価値が高いモノ」を見出すこともできたのでしょうし、価格決定権を得たからこそ、莫大な物量を世界中からかき集めることができたのでしょう。

“貪欲である”ことの強さ

確かに、同地において、環境負荷の高い“えげつないこと”をして財を成した方々もいらっしゃるのは、間違いないでしょう。なぜならば、人間は、「勝つためなら、ズルでもなんでもする」からです。ですが、太く長く商売をしていく気概のある人間は、短期的な一喜一憂を嫌います。つまり、筆者が言いたいのは、「中国が、何十年とスクラップ貿易のプライスリーダーたり得たのは、資源の有効活用に対する“貪欲さ”である」ということです。(単純に、レイバーコストを抑えようと思ったら、日本であっても、実現可能性はあります。刑務所の作業場に発注することも考えられるでしょうし、政府の補助金を使って、特殊な事情で正規雇用が難しい方々を雇うこともできましょう。今の流行は、東南アジアの研修生でしょうか。)

その“貪欲さ”に付け込んで、「物量は確保するから、ちょっと“えぐい”モノも引き受けてくれ」だとか、「他の業者は、この品質でも良いと言ってたけど」といった泥臭いやり方を押し付ける“ずるい”人間が増え、「一円でも高く買うから」と言って、無尽蔵に単価を吊り上げる愚直な業者が増えたからこそ、品質が粗悪になり、大陸で加工をする人間が、「もう、やってらんねえよ」と匙を投げた。そこに、「環境先進国になる」という政府の大綱が共鳴し、「じゃあ、お前ら、カネ出してやるから、他の国でやってみろや」という資本家の号令をもって、現在のような体制が急ピッチで築かれたのではないか、そのように筆者は考えています。

業者にとっては、大陸で手詰まり状態であったところに、“仕切り直し”のチャンスが生まれ、政府にとっては、「汚いイメージを払拭する」絶好のチャンスが生まれました。資本家にとっては、新たな“カネの源泉”を生み、新たな“物流・カネの流れ”をつくり、新たな“パワー”を得られたのですから、誰しもが得をしているわけです。ただ、損をしているのは、資本家に取り入ってもらえなかった業者と、なんの後ろ盾もない商社連中だと思います。

次回につづきます。

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