2020/06/08

ダチョウ倶楽部のオレがオレからの、どうぞどうぞ

前回のポスト(『金属スクラップ原料の流通も、厳しくなりますねえ』)から、既に1週間が経ちました。時間の感覚が、以前に比べ、"重く"なったような気がしてなりません。これは、筆者独自の感じ方でしょうから、人によっては、以前より"軽く"なったと感じるかもしれません。ただ、ひとつ間違いなく言えることは、「不確実性の高まりが、"これまでの当たり前"を、"そうではないモノ"と変えた」ということではないでしょうか。

ベースメタル全般において、相場の上昇傾向が続き、この1週間のあいだに、幾ばくかの流動性の改善というモノが見えてきたのかもしれません。現に、銅のソレは、中国の景気がどうのこうのといった、謎の下支え要素を根拠に、高止まりしているように見受けられます。彼の地では、なんと言おうと、実際に生産活動も消費活動も活発化しているようですし、官製であることは否定できませんが、"いちおう"は実需も底堅いようです。

時代錯誤もほどほどにしてくれよ

でも、まあ、冒頭でも触れましたが、「これまでの当たり前は、もう当たり前ではない」ということは、常に頭の片隅、いや、常に眼底に刷り込んでおかなければならないと思います。この有事下において、「誰にいつ、梯子を外されるか」ということは、予期できません。これまでも、同じようなことを言ってきたような気がしますが、これは、これからのトレンドになりますよね。「かつて調子が良かったから、これからも大丈夫だろう」というのは、二昔前の与信管理手法ですよね。お互いに支え合っていたから、ある程度の"ボヤ"は未然に防げたのでしょうが、今は、必ずしも利害関係者が助けに来てくれるわけでもない。助けに行く余力がないかもしれない。

ハナシは、いつものごとく脱線しますが、最近殊に強く思うことがあります。あれだけ、「屑屋はなくならない」と強気だった方々が、揃いも揃って意気消沈しているなあということです。これだけ、流動性が少しずつ戻りながらも、頼りの中国が満面の笑みで「(ちょっと安いけど)買うよ!」と愛想を振りまいているにもかかわらずです。

よくよく聞いてみると、「設備投資しちゃったから」だとか、「資金が回らなくて」とか、「(非鉄分高いにもかかわらず)上雑品が安い」いうことらしいです。"未曾有(みぞう)"とは、「て、こんなことがっただろうか」という意味らしいですが、まさに、未曾有の不景気にあれば、「これまで当たり前と捉えていたキャッシュ創出力も陰りを見せる」わけです。

ダチョウ倶楽部的な「オレがオレが」

しかも、「ベースメタル全般相場は、(今のところ)底堅い」が、「スクラップ相場は、それに追随しない」という事象が、ぐいぐいぐいぐい、真綿で首を締めるかのごとく、事業者を追い詰めます。かつては、金属建値に対してのパーセンテージ及びレス幅が明確に決まり、最終需要家に近ければ近いほど、建値に近づく(=売値が高い)という純然たる事実が横たわり、誰しもが「あそこ(メーカー直納問屋)に出せば、高く売れるに決まってる」みたいな暗黙知がありました。つまり、その"あそこ"をどこにするか知っているか否かが、事業の採算性、永続性、並びに集荷力に直結していたわけです。

ここにきて、大手の問屋群が、まず一斉に、「左団扇のどんと構え営業スタイル」から手を引いたわけです。あるところからは、これまで通りの料率、あるところからは、大幅に条件を下げて買うようになる。一方で、競合がその隙間を狙って、ある程度いい値段を出すようになりますね。最終的に、大陸がいち早く需要喚起を行ったために、中華系の業者がその消耗戦に首を突っ込むようになる。そのような構図が、昨今の非鉄金属スクラップ業界に見受けられます。たぶん、妄想です。

ダチョウ倶楽部的な「どうぞどうぞ」

これまでも、これからも、「金属リサイクル業界における淘汰は進む」という視座に迷いはありません。ただ、残念なことに、今現在、「じゃあ、どうするの?」というHOWの部分に対して、是正案を提起できるのかというと、それは自信がありません。むしろ、それに抗うことが"正"のかという点についても考えなければなりません。自分の身の丈、目標、やり方、すべてを見直さなければならないことは、この業界に限らず、妥当な方向性であることは間違いないようです。

そうですか、中国製のナゲット製造機を安価で調達しますか。歯のメンテに、意外とコストかかりますよね。乾式ですか、湿式ですか?はあ、湿式ですか。排水の管理も、ゴミの処理も大変ですよね。これから、行政の目もさらに厳しくなるでしょうね。いずれにせよ、母材となる電線の集荷に腐心する日々が続きますね。中国も、これまでと同じように製品としてのナゲットを買ってくれればいいですが。向こうでの関税も…
そうですか、雑品の破砕機を導入しますか。いやあ、あれも投入する母材の目利きひとつで、総合的なコスト負荷が、まるっきし変わってきますよね。最後は、手で選別しますか。うわあ、人材育成コストも維持も大変だあ。篩下とかどうしてます?まあ、ダスト多めなら輸出しちゃいますか。中国も、これまでと同じように…

あまり、煽るような言い方にならないように気をつけますが、結局は、能書きたれても(自分のところの事業含め)中国頼みなんですよね。巷のレストランが、「メニューをiPadで表示できるようにしました」と言うのとなんら変わらないですよね。本質は、一切変えていない。筆者の祖父がよく言ってました。「"これまでの当たり前"を踏襲していたら、ただの堂々巡り」であると。

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