なにをもって、それをそれたらしめるのか
昨日のネタを引きずりますが、日本語版のブルームバーグで同じ内容の翻訳記事が出ていました。ちなみに、新華社発信のオリジナル記事は、こちらです。
なぜ、この話題を続けるのかというと、なんだかおかしな点が、いくつか見受けられるからです。
なぜ、「糞口経路」と言及しながら「経口感染"も"」と言い換える必要があったのか
- コロナウイルスは糞口経路に沿って伝播する可能性がある
- 新型コロナウイルス「経口感染」の可能性も
同じ記事にリンクされているタイトルなんですが、なぜか違います。おそらく、ブルームバーグ日本語版編集が改題したのだと思います。なんらかの必要があってのことでしょうか。田辺三菱製薬のワクチン.net『感染経路について』というウェブページを参考にすると、ウィルスや細菌の感染経路には、下記のような区別があると明記してあります。
- 空気感染…ウイルスや細菌が空気中に飛び出し、1m以上超えて人に感染させること
- 飛沫感染…ウイルスや細菌がせき、くしゃみなどにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて空気中に飛び出し、約1mの範囲で人に感染させること
- 接触感染…皮膚や粘膜の直接的な接触、または医療従事者の手や医療器具、その他手すりやタオルなどのような物体の表面を介しての間接的な接触により、病原体が付着することで感染すること
- 経口感染(糞口感染)…ウイルスや細菌に汚染された食べ物を、生または十分に加熱しないで食べた場合や、感染した人が調理中に手指等を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり飲んだりした場合に感染します。糞便が手指を介して経口摂取される場合を特に糞口感染といいます。
新華社によれば、今般のウィルスが広まってしまったトリガーが、「糞便が手指を介して経口摂取され」たことにあることは、間違いない事実のようです。地元の医療関係者が確信していることが言及されているからです。要は、これまで動物にしか感染しないとされてきたコロナウィルスが、"なんらかの理由"で人間の口に入り込んで、お腹の中で悪さをするようになった。
そして、ここからは個人的な推測ですが、次のステップとして、食品市場内で"風土病"としてエンデミック状態に陥り、最後のステップとして、自分が感染しているとは知らずに各地に移動した人間が、その次の感染者を生みエピデミック状態にまで広がってしまった、そういうことだと思います。
そこで気になるのは、現在の状況を「世界各地で猛威を振るっているから」、パンデミックと呼ぶべきなのかということです。また、もっと実生活を送る上で気になるのは、「感染者と同じ空間にいただけで、自分も感染者になるのか」ということです。そういった不確定要素があるからこそ、ブルームバーグ日本語版はタイトルを変えて、「飛沫感染の可能性もあるよね」というニュアンスを与えたのではないでしょうか。印象操作と言ってしまえば終わりですが、それだけメディア側に、「断言・断定することのリスク」があるということが、今の現状なのでしょう。「先が見えない」ということは、恐怖でしかありません。
リージョナリズムとは
当ブログでは、頻繁に登場する"リージョナリズム"ですが、今までもこれからも、わかったような口のきき方で語っていくことに変わりはありません。しかしながら、少しずつ、"それ"の持つ意味がわかってきた気がします。例えば、今般のウィルス騒動に巻き込まれた方々の特徴としては、今のところ、中華経済圏に身を置く者、または当該経済圏の恩恵を受けている者に限られています。いまいち、言葉に説得力がありませんが、もし仮に、「何十年も服役していて、面会者も少ない日本国内の受刑者に感染が出た」という話になれば、どうでしょう。十二分に、例のウィルスの感染力が強く、経口であろうが、飛沫であろうが、空気で感染する可能性が否定できないし、もはや"ナニジン"であるとか、そういったことは関係なしに感染するということが考えられます。そうなった場合には、恐らく他の国でも、中華経済圏とは、まったく関係のない場所で、ぽつぽつと感染者が増えていくはずです。
"たられば"の話で恐縮ですが、もし、グローバリズム的な争いというものが、「世界地図の上に書かれた線の中で起きる問題、またはその線の中で塗りつぶされた地域と別のそれとの間で起こる問題」なのであれば、リージョナリズム的な争いというのは、「蠢くアメーバが、狭い地球儀の中で押し合いへし合いしているときに起きる問題」なのではないでしょうか。
また、いつもの妄想ですが、今のところ、アフリカ地域での当該ウィルス感染の報告は、ない。そのように、言われています。当ブログでも、取り上げていますが、『アフリカで花開く一帯一路』構想がある限り、同地域への中華経済圏が与える影響は小さくないはずです。そこで、感染者を増やすようなことがあってはなりませんが、もし、想定以上の感染者が出なかった場合、中華経済圏がひとつではない(=一枚岩ではない)可能性がみえてくると考えています。飛躍しすぎて、ついてこれないでしょ?