"God Save The Queen, man" と言ったバイデン大統領の真意

世間では、株高のハナシがだいぶ盛り上がっているようですね。

1867年(慶応3年)夏から、翌年の春にかけて、近畿地方に「ええじゃないか」と唱える人が現れ、それが他の地域にも流布し、とんでもない社会現象と化したといった史実があります。発端は、表に倒幕派、裏に御師の存在があったなどと言われていますが、究極を言ってしまえば、「誰かが、民衆を扇動して、なにかを得たかった」ということだと思います。

現代のように、「おなかすいたなあ」の八文字が、瞬時にネットワークに伝播することなど、到底あり得なかった時代において、ハレの舞台としての祭りを情報伝達の手段として活用したわけです。妄想の域を超えませんが、男装・女装させ、狂喜乱舞の半ばレイヴのような空間を演出したのでしょう。

その後、得をしたのは、誰だったのでしょうか。よくわかりませんが。

女王陛下万歳、なんだよ

Business Insider - "President Biden causes confusion after appearing to sign off a speech on gun control with 'God save the Queen, man'"

今般の出来事は、「表面」では、筆舌しがたいほどに下世話なハナシとして、「また、あの爺さんヤッてるゾ」的な解釈で捉えられています。事の顛末は、同紙の要約で十二分掴めます。

  • ジョー・バイデン大統領が、スピーチの最後に "God save the Queen "と発言し、人々を困惑させた
  • バイデンはコネチカット州で開催された「National Safer Communities Summit」で銃暴力改革について演説していた
  • ホワイトハウスのプレスオフィスは、バイデンが "群衆の中の誰かにコメントした "と後に述べた

言うまでもないですが、「(嵐が近付いていたので)スピーチを“巻く”必要があった」という事実を除いても、「内容が短く、意味がよくわからない」わけです。SNSでバズっている投稿をみると、特定の部位を切り取って、「一言で立ち去った」かのようにみせていますが、実際には、それ以前に下記のステートメントがありました。

致命的な銃乱射事件が後を絶たない米国において、より強固な銃規制策を推し進め、銃乱射事件が「毎日」起きていることに怒っている

そうですね。大統領は、怒っているのです。そして、聴衆の中に、その彼の気持ちを逆撫でるような人物がいた。その言動に対して、「女王陛下万歳、なんだよ」と言ってのけたわけです。良くも悪くも、サシで「民意に応えた」わけです。

SEX PISTOLSを引用した可能性

1977年、SEX PISTOLSが、エリザベス二世女王陛下の“シルバー・ジュビリー”(四半世紀在位記念)に合わせ、"God Save The Queen"という曲を発表しました。

SEX PITOLS - "God Save The Queen" (YouTube)

今朝方、面白いツイートをみつけました。Twitter界隈の一部の方々が、「バイデンが引用したセリフっていうのは、もしかしたら、ピストルズの曲名じゃね」といったハナシで盛り上がっているのです。

バイデン大統領は、これまでにも、「高校時代のフットボールコーチ曰く…」といった、「いや、その身内ネタ、わかんねえよ」的な引用を好む傾向があります。真偽はともかく、同曲の指している内容について、考察してみましょう。

God save the queen
The fascist regime
They made you a moron
A potential H bomb

God save the queen
She's not a human being
and There's no future
And England's dreaming

Don't be told what you want
Don't be told what you need
There's no future
No future
No future for you

英語の勉強ではないので、一語一句訳すつもりはありませんが、個人的には、「ファシスト政権に縋ったところで、お前らの未来、明るくはならないゼ」ということ、「女王陛下を愛する気持ちは、お前らと変わらないけど…体制側の目論みには、気を付けろヨ」といったメッセージを感じ取りました。

God save the queen
We mean it man
We love our queen
God saves

この曲の発表以後、同バンドは、“反体制側”の人間として社会的に認知され、経済的に大成功を収めるわけです。昨今は、メンバー間の仲違いが激しさを増し、訴訟合戦を繰り返しているようです。また、後にメンバーの一人が、「俺たちの関係は、ビジネス」と明言している通り、最終的に、彼らは、「反体制を唄うビジネスマン」だったのです。なんとも皮肉なハナシであります。

結局、なにが言いたかったのか

解釈は、様々でしょうが、ここでは、「最終的に、彼がなにを“この一言”に詰め込んだのか」ということを考えねばなりません。

個人的には、「ピストルズ引用説」を正とするならば、バイデン大統領は、なんらかの“世界的な動き”を知っていて、「(これから起こる展開は、)NO FUTUREなんだよ」と一蹴したかったのかなと考えています。

退席する際にも、「あれ?ステージのどっち側に引けたらいいんだろう?どっち?どっち?」と狼狽している姿を見せるわけです。それほど、彼の頭の中に、「世界がヤバい状況にある」という危機的状態のイメージが、満たされているのでしょう。

「誰がために鐘は鳴る」のか、本当に「“ええじゃないか”でいいのか」、真摯に考えねばなりません。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気の投稿