資源を再生し、儲かる商売として成立させるためには

いやあ、今日もぶれます。本来、やるべきことは、ヤマほどあるはずなんですが、ダメですねえ。なかなか集中できません。「米国の行方が…世界の行方が…」などと危惧したところで、自分の身の回りの出来事っていうのは、そこまですぐに変わりません。確かに、少しずつ"それ"の影響を受けながら、少しずつ変わってゆくのでしょうが。

とにもかくにも、ミクロな視点で物事を捉えすぎると、森(大局)を見失います。わかっているのだけれど、なかなかうまく優先順位の見極めができません。そして、気づけばもう、11月も半ば。来年のことも考えなければなりません。来年は、本年に増して、物事が流動的に変わってゆく年となると思います。激動の時代ですね。昨年も同じようなことを言っていたような気がしますが、気にしないでください。


メーカー側は潤っている

筆者は、2019年12月12日に、『メーカー"側"は潤っている』という記事をポストしました。その当時の海外メディアの'20年に対する視座は、下記の通りでした。

  • 大きなリセッションを迎え、場合によっては大きな生産調整があるか
  • 需要は一時的に落ち込む可能性大 → 需給は“リセット”
  • 飲料用容器(プラからアルミへ)や電気自動車向けの新規需要等が顕著に

今だからこそ、"リセッション"だとか"リセット"という言葉が、まあ、しっくりくる世の中になっていますが、その当時は、"このような事態"になるとは、一般人の想定の範疇にはありませんでした。このハナシを、都内で開かれた非鉄金属トレーダーの会合にて聞いたとき、筆者は「大きな時代のウネリが着実に進行しているのだ」ということを身を以て体感しました。



本日(11/3)、「パナソニックの津賀社長が代表権のない会長に退き、楠見常務が社長へ」というニュース発表がありました。新社長は、新会長同様、車載(自動車部材)関連の現場上がりだそうです。人事再編の真意はわかりませんが、大局としては「腐っても車載」ということだろうし、「テスラとの協働関係は、絶対に崩さないゾ」という意思の表出ではなかろうか。

これは、毎度の手前味噌で恐縮ですが、弊ブログで取り上げた『パナソニックのバッテリーに使われている銅箔』というポストにも繋がります。金属スクラップ業界において、あまりこういったニュースを重要視する傾向はないかと思いますが、筆者としては注目に値する出来事だと考えます。

プラズマじゃねえ、バッテリーだ

なぜかというと、津賀新会長は、「プラズマじゃねえ。車載(ドライブレコーダーを筆頭とした自動車ハイテク部材)だ」と言って、同社の大改革を行ったわけです。そこにきて、楠見新社長は、「部材じゃねえ。バッテリーだ」と、トヨタ並びにテスラとの関係を強固にしていったわけです。本当に、そのようなやりとりがあったのかは、わかりません。しかし、「注力すべき商材の見極め」を確実に行い、「長(おさ)の強いリーダーシップで荒波を乗り越える」のがパナソニックの強みであるとするのであれば、その長が見据える先には、大きな商機があるのではないか、そのように考える次第です。

例えば、バッテリーの電極に使われる非鉄金属素材。いわゆる"箔"の需要は、"底堅い"です。だけど、"それ"がスケールするのは、"面積"です。どんなに使用される面積が増えようとも、技術革新が並行して進むでしょうから、薄く広くなる一方だと思います。なので、銅箔に関しては、特号銅線や1号ナゲットの需要が爆発的に増大するかというと、それはあり得ないと思います。もしかしたら、品質の高いモノに対してのみ、プレミアムの幅が大きくなるかもしれませんが。(高品位金属箔の生産は、世界各地で行われるようになるからです。)

雑多なモノが増える

あまり深く言及すると、自分の商圏を損ないかねないので、あまり大きな声では言えませんが、黎明期において「ハイテク系の商材は総体的に歩留まりが悪い」ということは、確かだと思います。つまり、最初のうちは「スクラップ率が大きい(かもしれない)」ということです。その辺りの"New-New"スクラップに関しては、素材を供給している大手の商社群が商圏を握ってしまうのでしょうね。でも、まあ、業界全体の成長に伴って、下請けさん、孫請けさん、海外への委託生産も増えるでしょうから、"チマチマ・ゴチャゴチャ"スクラップの発生も必然的に増えてゆくのでしょう。

市中一般のスクラップ問屋には、恐らくそういった"細かくて雑多な"スクラップが増えるでしょうから、こういったものを「どうやって選別して、どうやって製品化するか」ということが課題として挙がるのではないでしょうか。キレイなスクラップは、これまで通り、単価で勝負していかないと抱えられないと思うので、「"エグい"モノを扱えるか否か」という点が、優位性然り、"利益創出体質"であるか否かに直結してゆくのではないでしょうか。

何を言いたいのか、例の如くブレにブレましたので、よくわかりませんが、おそらく「静脈(スクラップ再生)産業も革新が必要だ」ということだと思います。仮に、モノづくりが動脈であるならば、静脈は"モノばらし"でしょうか。モノづくりがノウハウの集積であるように、"モノばらし"にも、もっと集合知というか、"理"の部分があって然るべきです。ただ、がむしゃらにトンチントンチンやればいいわけではなく、うまく分離しないのであれば、工程のやり方・順序を変えてみることもできるだろうし、逆に、「そこまでやらなくてもいい」ことも多々あるかと思います。「グチャグチャに壊して、減容できました」というのは、リサイクルの"ワ"を乱します。

先見の明

非情に抽象的なハナシで恐縮ですが、きっと"そう"だと思います。もしかしたら、"それ"にいち早く気づいたのは、中国だったのではないでしょうか。彼らは、「もっと、強くありたい」という願望を抱きながら、「どうすれば効率的に儲けられるのか」ということを、世界の誰よりも考えている。誰よりも早く実践し、誰よりも深く徹底する。

おそらく、中国における資源再生業界の先達は、世界各地の先進的な資源再生技術を研究し、大規模な投資を行ってきたものと思います。その活動を通して、「"エグい"モノをなんとか使いこなす技術」にさらなる磨きをかけたのでしょう。これまでの「安かろう悪かろう」ではなく、「非属人的に、ユニバーサル基準で生産し、国際的に流通させるための技術」です。別に、鉱石であろうと、鉱山の操業然り、精錬コストが低く抑えられるが故に、構わない。ミックスメタルであろうと、大規模な自動選別技術があるが故に、構わない。今は売れなくとも、世界中の競合がこの瞬間に稼働できていないが故に、構わない。物量を押さえた者が、基準をつくる。故に、優位な立場にあるわけです。

日本の場合、資源再生技術としては、もの凄く先進的なんでしょうね。ただ、筆者は、最終的な再生事業者までの"ラスト・ワンマイル"の部分が冗長的で無駄が多いように思うのです。言うなれば、利権構造が盤石であるということです。AからCで済む商流を、AからZまで冗長化させ、その"冗長さ"に多くの利害関係がぶら下がります。利害関係者が多いために、薄利の商売が横行し、それに耐えられなくなった業者が、非合法の行いをします。日本が取り組むべき課題は、モノではなくヒトかもしれません。

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