2020/06/29

中国に"廃棄物"を送るのやめるってよ(罰則つき)

令和2年6月29日(月)時点での気になるニュースについて、声高に吠えさせていただきます。

  • コモディティは、バーターだろ
  • ノリリスクって、そういうところだろ
  • 中国に"廃棄物"を送るのやめるってよ

ここんところの世界の動きって、一切の流動性を感じさせないですが、実のところ大きな地殻変動が起きていますよね。じんわり、じんわり。そんな表現が適切だと思います。トランプ先生界隈も、色々とかき乱す人が出てきていますが、「結局は選挙利権」なわけです。大きな声を出して、わめけばわめくほど、お金が入るシステムです。オリンピックと同じですよ。四年に一度、国民の"やる気"に火をつけて、日常の鬱憤晴らし、現実逃避に利用する。その裏では、為政者がゴニョゴニョやって、莫大なカネが動く。結局のところ、「国民のために云々」は、大義名分でしかなく、すべてが陣取り(利権死守)ゲームの一環です。

コモディティは、バーターだろ

参照:『ハイオクガソリン、実は混合 「独自開発」のはずが…20年前から各地で

失笑というか、「何を今更」な感じが否めないです。この記事を書かれた方は、なにをターゲットに、なにを得ようとしているのかが不明瞭です。そもそも、我々庶民は、ハイオクが必要になるような車には乗れませんし、燃料の違いで車の特性がわかるようなセンスも持ち合わせていません。そんなこと言うのであれば、「国産果汁100%使用」なのに、「果汁分が全体の30%しかない健康ジュース」の処遇はどうなる。

大阪の会社が関東に商圏を持っていて、千葉の会社が関西に商圏を持っている。この両社が、"同一の規格品"を扱っていたとするならば、お互いの仕向先を、より近い方に振り替えた方が、物流コストは圧縮できるわけです。買う側からしても、「同じ規格ならば」、地理的に近いところから買った方が、不要なコストをカットできるし、安全なわけです。これを企業努力ないし、営業力と言わずして、他になんと例えることができようか。

現に、我々の非鉄金属スクラップ業においても、川上の重鎮企業様方は、当然のように"バーター取引"をやっています。しかしながら、「あ、それ、僕もやりたい」と言っても、そうは問屋は卸してくれないわけです。それは、老舗独自のネットワーク、つまり既得権益であり、絶対的に不可侵の"商流"であるからです。売上高が何百億あるとか、ヤードを各地に持っているとか、そういうことではないそうです。

ノリリスクって、そういうところだろ

参照:『ロシア北部ノリリスク 工場からツンドラ地帯に廃棄物流出

かつて、当ブログ『パラジウムと極東物流政策に関連はあるのか』にて言及したことではありますが、ノリリスク・ニッケル社がご活躍される地域っていうのは、元々そういうところなんですよ。米国での"それ"も同様のことが言えると思いますが、なにかにつけて"ボヤ騒ぎ"を起こして、声高に意味ありげな戯言を述べては、お金をもらう人々がいます。貴金属市場への影響は、いかほどでしょうか。(最近、ロシアからのアクセスが非常に多いので、以下自粛。)

中国に"廃棄物"を送るのやめるってよ

参照:"Hapag-Lloyd to halt waste shipments to China"(ハパグロイド、中国への廃棄物輸送を停止へ)

結構、このニュースは、今後の業界勢力図を占う上で重要であると考えています。(例のごとく、DeepL翻訳を利用しています。)

「ドイツのコンテナ船会社ハパグ・ロイド(HLAG.DE)は、新法を遵守するため、9月1日以降に到着する中国向けの金属スクラップを含む固形廃棄物の貨物の受け入れを停止すると顧客に通知したと発表した。」

German container shipping line Hapag-Lloyd (HLAG.DE) said it had notified customers it will stop accepting cargoes of solid waste, including scrap metal, bound for China that arrive from Sept. 1 onwards to comply with new legislation.

「中国は4月に、輸入要件を満たしていない固形廃棄物の返還と処分について、運送業者と輸入業者に責任を負わせる法律を9月から施行することを可決した。」

China in April passed a law, taking effect in September, that holds carriers and importers responsible for the return and disposal of solid waste that fails to meet import requirements.

当該記事の中で、「MSC Mediterranean Shipping Companyもやめる」ということ、「(船社による)なんらかの罰金もあり」ということも言及しています。要するに、「あたいらの船に"ゴミみたいなもの"積むんじゃないわよ」ということである。彼らは、どれが"固形廃棄物"であるか、どれが"金属原料"であるかなど知る由もなく、これまで「通関できたものだから」という理由のみで、船に積んでいたわけです。しかも、その"ゴミみたいなもの"は、積載効率の悪い航路の"空き"を埋めてくれる、貴重な調整弁でありました。だからこそ、船社は"したり顔"で「まあ、積んでやるよ」的なスタンス(筆者の勝手な妄想)を誇示します。どんなにマージナブル(収益性の高い)な商売であっても、かなり強気でした。

今後、すべての欧州系の船会社が、同様の対応をとるのか、はたまた一部の業者が率先して行った自主規制としてのみ機能するのか。いずれにせよ、中国政府は、"見せしめ"も含め、相当数のシップバック事案を発掘するでしょうから、中長期的にみても、「キワドイ金属スクラップを中国に送る」ことの経済的な合理性は、だいぶ薄れます。じゃあ、今までのように、「袖の下を通せばどうにかなる」のかというと、それも懐疑的です。

以下、持論でありますので、理解のされ方は自由ですが、「習近平政権の最大の目的は、上海閥の粛正並びに、米国ディープ・ステイトへの攻撃」であると信じています。もちろん、これまでもこれからも、中華経済圏における"癒着"の構造は不変であると考えていますが、貿易においては、利益構造の抜本的な変化が起こっているような気がしてなりません。

これまでは、「どこぞの行政地区の役人を日本で接待」だったり、「どこぞの税関職員とタイ出張」なんていう"露骨な癒着"が必要だったとします。これからは、どうでしょう。例えば、「どこぞの役人の親族がつくった独自の認証機関に加入」だったり、「どこぞの党員の親族がつくった人材派遣会社から、毎年一定数の雇用を約束」だったりするのでしょうか。よくわかりませんが、人間のやることなんて、所詮知れていますし、堂々巡り。いたちごっこです。

かつて、『パラジウムと極東物流政策に関連はあるのか』にて、既に言及したことではありますが、「船がダメなら、列車がある」ということです。我々、日本という島国には真似のできない芸当ではありますが、中国と欧州は、ロシアを経由して陸地でつながっています。そして、中国は、欧州のリサイクラー大手を既に手中に収めています。何を言いたいのかというと、中国は、欧州での金属スクラップの発生と物流を押さえているということです。今般の規制で困るのは、中国ではなく、メインストリームに入り込めない中小零細のリサイクラー並びに商社一般なのです。

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