ねえ、パラジウムって、いつ"サゲ"るのさ

パラジウムのこれまでの良い意味での迷走は、どこにあったのでしょうか。まだ、"続伸"なのかもしれませんし、もう、"オワコン"なのかもしれません。それは、まったくわかりませんが、今般の相場の動きが、なんであったのか、はたまた「今後、どのような動きをしていくのか」ということを邪推してみることは、我々のような山師、原料屋にとって、ひとつの楽しみでもあります。

ひとつ、ふたつと、今回の"上げ"に係る要素について考えてみました。

  • 瞬発的なアゲ…産業用のマスク需要がパンパン
  • 中長期的なアゲ…NEV向け触媒"期待"需要がビンビン
  • 地政学上のテンションに翻弄されたアゲ…米露の関係良くないゼンゼン

東京商品取引所のパラジウム2月限月は、月初 @6,600から始まり、足元(1/24) @8,800まで急進しています。

ここまで相場が高くなってしまうと、次に考えるべきことは、「いつ下がるのか」という点に絞られます。筆者の活動するスクラップの分野では、基板や触媒関連が大きな影響を受けます。相場変動は、他の流通量の多い金属(銅やアルミなど)と比べると緩やかでしょうが、単価が大きいため、リスクは小さくありません。

瞬発的なアゲ

産業用と言っても、実際のところ、色んなマスクが存在していると思いますが、世の中には、一酸化炭素の吸入を防ぐために、パラジウムを織り込んだものが流通しているようです。オーストラリアでの大規模森林火災現場での作業なんかにも、恐らく使われているのではないでしょうか。もしかしたら、もっと特殊な環境下でも使われているのかもしれません。

中長期的なアゲ

次の"地政学的な"影響にも絡むと思いますが、NEV需要はカチンコチンに堅いです。グレタさんが、小洒落たスイスのリゾート会議でゴタゴタ言えば言うほど、懐が潤うわけです。環境ビジネスの既得権益層の。いくら、ケツの青い若者が「温暖化対策が不十分!飛行機は乗るな!!」などと嗾けたところで、大人は「そんなことをしたら経済活動が止まってしまうじゃないか」と、「じゃあ、経済活動を阻害することで、将来の気候変動に対する影響度はどれぐらいあるのか?定量的な数値は?」などと、したり顔なわけです。

誰しもが、「そんなことできない」と分かりながらも、「温暖化対策はみんなが協力すればできるはずだ!」と嘯く。結局、"気合い論"になってしまうわけです。まあ、為政者にとって、この"グダグダな感じ"が、都合の良い世論形成に役立つのかもしれません。環境大臣が、「地球環境を守るためには、世界のひとりひとりが一致団結しなければならないという事を国連で熱くスピーチして参りました。環境はクリーンに、そして買い物はグリーンに。私は、電気自動車の大ファンなのです!」などと言い始めることはないでしょうが、似たようなことは言いそうです。

地政学上のテンションに翻弄されたアゲ

これは、大いに考えられるひとつの要素だと思います。南アフリカやロシアが主の原産であるパラジウムにとって、米露関係の良し悪しは、重大事項であります。穿った見方をしてしまえば、ここまで同貴金属の相場が高騰していると言うことは、中東利権のコントロールに難儀しているのか、ブレグジット後のランディングが、相当ハードになるものと捉えているのか、プーチン体制の雲行きが怪しくなっているのか。シンジロウに負けないぐらいの飛躍論でした。

ここから先は、まさに「"カミ"のみぞ知る」ということでしょうが、瞬発的な需要は、いつかほとぼり冷めるでしょうし、地政学的な問題は、風向きがコロコロ変わるんで、信用できない。個人的には、一度大きく"サゲ"の、"ジワアゲ"でないでしょうか。以上、現場から山師がホラを吹かせていただきました。

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