2020/07/29

未曾有のパラジウムシフトについて思うこと

貴金属相場が、またもや沸騰して参りました。この相場は、もはや「工業用の実需」ではなく、「カネを持て余した人間の恐怖心の権化」でしかないと思います。金に関して言えば、金本位制復古の伏線なのかと思わせる言質も出て参りました。まあ、よく言われたことですが、「素人が大挙して市場に参加し始めたら、玄人はしれっと退場する」というハナシです。"見えざる手"の介入は、あるのでしょうか。そして、どのようなタイミングで、「待て」と言うのか。筆者としては、その日は突然やってくるのではないか、そのように考えています。

筆者のパラジウムに対する愛は、こちらのリンクからどうぞ。

https://www.michiru-resources.com/search?q=パラジウム

7月29日現在、銅の山元であるJX金属発表の建値は、トン当たり73万円となりました。7月の月中平均は、72万円ほどでしょうか。4月のそれと比較すると、おおよそ14万円ほど高いです。グラフにしてみれば、一目瞭然だと思いますが、この"沸騰"は、かつての銅相場の上げ下げ範疇でみると、いわゆる"想定内"です。騰落でみれば、この"14万円"というのが、とてつもない「異常さを孕んでいる」という表現に当てはまらないことが、明確にわかります。

じゃあ、なにが異常なのかということについて、スクラップ屋目線で考えてみたいと思います。

  • モノ(スクラップ)が売れない
  • スクラップ相場(料率)が安い
  • 競合がなかなか潰れない

だいたい、こんなところじゃないでしょうか。かつてのリーマンショック時は、たしかに相場の暴落あれど、多少の無理をしてでも買い続け、売り続けることができた。もっと言ってしまえば、流動性が担保されているから、安い在庫をつくることができた。メーカー需要が存在するからこそ、販売条件の悪化は、ある程度の良識の範囲であったと聞いています。そして、業界全体に潤いが満たされているから、カネの流れがあるところに、暗い話は出なかった。放漫経営をしていれば、必然と淘汰されるなり、業態を変えざるを得なかった。それが、前回の"経済危機"であったと思います。

大波というか、大きな地殻変動そのもの

しかしながら、今般の"経済パラダイムシフト"は、いわゆる未曾有の出来事であり、ひとつの中規模証券会社をスケープゴートとして抹殺すれば、完結するような柔(やわ)なハナシではありません。政府がカネをじゃぶじゃぶに満たすことが、"恐慌"のときの唯一の打開策であるという史実をもとに、多くのそれが天から降り注がれました。だから、潰れないんですよね。(いやあ、筆者も今般の"恵みの雨"で生き延びることができました!)

おそらく、製販・原料、どの業界においても、ある程度同様の意識が浸透してしまったと思うのですが、現況は、本当にやばい状況ですよね。その意識っていうのは、「コ○ナだから売れない」、「…だから、しょうがない」、「他の業者も、きっと同じ状況だから…」といった"温(ぬく)とさ"です。世界的にも、同様の"厭世観"に苛まれている企業がほとんどだと思います。確かに、「しょうがない」のかもしれませんが、いつかは、「もう、やってらんない」と諦めざるを得ない状況がやってきます。金銭的な事情かも知れませんし、精神的なものかもしれません。

経営者は、「つらい時を乗り越えれば、きっと将来強くなれる」と信じてやまないものです。ただ、今般の"パラダイムシフト"は、「耐えれば乗り越えられる」のかというと、それは違うと思います。今までの当たり前が、映画のセットのごとく、薄っぺらい"張りぼて"であることが露呈され、もう、それは再利用できないことがわかりました。どの業界にも通用するハナシだと思いますが、"温(ぬる)さ"に甘んじて、「ま、なんとかなるさ」と後ろ向きになった時点で、終わりなのかもしれません。要は、過去の遺物となる。本当に、既存の枠を壊すこと、「当たり前を当たり前だと思わない」ということは難しいです。ただ、やってみる価値はある。やらないで後悔するよりも、やって後悔したい。そのように、綺麗事を並べて、今回の投稿とさせていただきます。

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